2014-01-01から1年間の記事一覧
エルメス(新潮新書) 「ブランドのなかのブランド」と呼ばれるエルメス。圧倒的に高価でありながら異常なまでの人気を得た背景には、高水準の職人技術はもちろん、徹底した同族経営、巧みな広報・商品戦略があった。2004年刊 1886年ドイツでベンツとダイム…
食える数学 (角川ソフィア文庫) 神永氏は数学と工学の研究家。 数学は、実学だ。その数学で、何ができるか?―2010年刊、東北大震災前の出版(2015年1月に文庫化予定) 波長の短い通常の波 普通の波の波長は、数メートル程度です。たとえば波長4メートル、高さ20…
蒸気船の世紀 杉浦氏は商船大学の教授職を歴任。19世紀、絶頂期の大型帆船と産業社会の夜明けを告げる蒸気船が洋上の覇を競った。1999年刊 黒船ペリーはどこから来たか? 軍艦4隻が東から一緒に太平洋を渡って来ただろうと単純にそう思っている人もあるらし…
月をマーケティングする 1961年、ガガーリンの乗ったボストーク1号に人類初の有人宇宙飛行で先を越されたアメリカは、ケネディ大統領の決断により、1960年代のうちに人類を月に送る「アポロ計画」を立てる。 そのための予算は250億ドル。この膨大な金額を国…
柔らかい個人主義の誕生―消費社会の美学 (中公文庫) 山崎氏は芸術論の研究家。 石油危機で明け、不況と経済摩擦で暮れた過渡期の70年代から、新しい個人主義と,成熟した〈顔の見える大衆社会〉に進む80年代へ。単行は1984年、文庫1987年刊 黄金の60年代 60年…
近代発明家列伝――世界をつないだ九つの技術 (岩波新書) 橋本氏科学史・技術史の研究家。大航海時代から産業革命を経て交通と通信の革命が到来する。世界を制するとは時間と空間を制することだった。(2013年刊) 発明王エジソンをイノベーションの観点から再評…
フラッシュ・ボーイズ 10億分の1秒の男たち コンピュータスクリーンが映し出す各証券市場の売値と買値で取引しようとすると、ふっと売り物や買い物が消えてしまうのだ。その値が消えて、買う場合だったらば、必ずそれより高い値で、売る場合だったらばそれよ…
ヘンな日本美術史 山口氏は画家、終生 「こけつまろびつ」の破綻ぶりで疾走した雪舟のすごさ。2012年刊 雪舟の恵可断臂図(1532) 恵可断臂図をみた時にまず思ったのは、この絵の「莫迦っぽさ」というのはどこからくるのあろうと云う事です。「莫迦っぽさ」な…
謎の蝶アサギマダラはなぜ海を渡るのか? 栗田氏は内科医、そしてアサギマダラの研究家。 アサギマダラはタテハチョウ科の蝶で、大きさはアゲハチョウほど。重さは0.5グラムにも満たない軽い蝶だが、春と秋には1000kmから2000kmもの旅をする。2013年刊 10万頭…
インクジェット時代がきた! 液晶テレビも骨も作れる驚異の技術 (光文社新書) インクジェットとは、精細な液体の粒を「飛ばして」「積み重ねる」技術。 この技術の持つ本質は何か?2012年刊。 実用的なインクジェットは1970年代のコンティヌアス式インクジェッ…
ロボットは東大に入れるか (よりみちパン! セ) (よりみちパン!セ) 新井氏は数学論理学の研究家。「24時間、疲レマセン。フヘイフマンモ言ワナイシ、大シタコストモカカリマセン。」みんながわかる、人工知能の最前線!今後、「人間」に残される領域とはなのか…
仁義なきキリスト教史 「おやっさん、おやっさん、なんでワシを見捨てたんじゃ~!」キリスト教2000年の歴史が、いま果てなきやくざ抗争史として蘇る!「あいつら、言うてみりゃ人の罪でメシ食うとるんで」エンタメで学べる画期的キリスト教史入門! 2014年刊 お…
錯覚の科学 (文春文庫) ハーバード大学の俊才たちが、最先端科学実験で次々に明らかにする、あなたの記憶のウソ、認知の歪み、理解の錯覚。科学読み物。 単行は2011年、文庫は2014年刊。 原因の錯覚 三つの片寄りは、それぞれ独立していると同時に相互にから…
錯覚の科学 (文春文庫) ハーバード大学の俊才たちが、最先端科学実験で次々に明らかにする、あなたの記憶のウソ、認知の歪み、理解の錯覚。科学読み物。 単行は2011年、文庫は2014年刊。 原因の錯覚 三つの片寄りは、それぞれ独立していると同時に相互にから…
レッド・ステイツの真実 ――アメリカの知られざる実像に迫る 西森氏はジャーナリスト、マスコミや大学のほとんどは民主(ブルー・ステイツ)が握っているため、共和(レッド・ステイツ)の情報はほとんど国外に伝えられることはありません。2011年刊。 ブルーステ…
思索の源泉としての鉄道 (講談社現代新書) 原氏は日本思想史の研究家、常磐線の断たれた鉄路はどうなっているか?2014年刊 常磐線は今も全線開通していない、 車中の時局談義 「どうせなついでに早く日米戦争でもおっぱじまればいいのに」 「ほんとうにさうさ…
脳の中の時間旅行 : なぜ時間はワープするのか ハモンド氏はサイエンス・ライター、アナウンサー、心理学者。2014刊 夜と霧の作者、フランクルはアウシュビッツ収容所で、「将来自分がアウシュビッツの経験を講義する」姿を想像(しそれを実現した) 将来思考…
数学記号の誕生 xを使った方程式、今では当たり前の事。人類はここに到達するのに長い年月をかけてきた。17世紀以前、ニュートンの万有引力もまた記号を使わず、言葉と図表によって表現されていた事になる。2014年刊 未知数と既知数 今なら2次式をax^2+bx+…
神々の明治維新―神仏分離と廃仏毀釈 (岩波新書 黄版 103) 安丸氏は日本思想史の研究家。 維新政権が打ちだした神仏分離の政策と、仏教や民俗信仰などに対して全国に猛威をふるった熱狂的な排斥運動は、変革期にありがちな一時的な逸脱にすぎないように見える…
未来予測を嗤え! (oneテーマ21) 予測では知ることがきない、人類にとって大事なことがある。人気の書評家と気鋭の数学者による白熱講義! どうして天気予報の精度が上がったか? 昔はせいぜい百葉箱で温度や湿度を測るくらいでしたが、1930年代にはラジオゾン…
火の賜物―ヒトは料理で進化した ランガム氏は生物人類学の研究家。「人は料理で進化した」、2010年刊 実は料理はカロリーに影響を与えない 摂取エネルギーに対する料理の効果は、牛肉、豚肉、鶏肉、ビートの根、じゃがいも、米、カラスムギ、ペストリー生地…
日本人と遠近法 (ちくま新書) 諏訪氏は文化人類学の研究家1998年刊 「遠近法をもつかもたないかを宗教以外で説明するとしたら、どうなるか」。 浮世絵「お仙と団扇売り」 http://jouraku.kir.jp/user/sub051.php この図がすでに西洋遠近法についての知識をも…
憲法で読むアメリカ史(全) (学芸文庫) 阿川氏は米国法の研究家。建国から二百数十年、自由と民主主義の理念を体現し、唯一の超大国として世界に関与しつづけるアメリカ合衆国。その歴史をひもとくと、各時代の危機を常に「憲法問題」として乗り越えてきた、…
温度から見た宇宙・物質・生命―ビッグバンから絶対零度の世界まで (ブルーバックス) 17世紀イタリアで使われた「寒暖によって生じる空気の変化を見分ける装置」 測定するとはどういう事か? 17世紀初めは、様々な測定機器が発明された時代であった。この時代…
遠近法の発見 辻氏は西洋絵画史の研究家、ルネッサンス以降の遠近法を「地上の遠近法」、それ以前を「天使の遠近法」と呼ぶ。1996年刊 地上の遠近法 地上に立つ人間にこそよく見える「地平」が、ルネサンス遠近法には表れています。人間は姿を見せなくとも、…
遠近法の発見 辻氏は西洋絵画史の研究家、ルネッサンス以降の遠近法を「地上の遠近法」、それ以前を「天使の遠近法」と呼ぶ。1996年刊 地上の遠近法 地上に立つ人間にこそよく見える「地平」が、ルネサンス遠近法には表れています。人間は姿を見せなくとも、…
ヨーロッパとは何か (岩波新書 青版 D-14) ヨーロッパの思想や制度を熱心に受け入れることにより、驚異的ともいえる近代化を達成してきた日本。それでいて、ヨーロッパとは何かについて、真に学問的な深さで洞察し、議論した書物は意外に少ない。本書は1967…
真空のからくり (ブルーバックス) 山田氏は理論物理学、「真空は決して“空っぽ”の空間ではなく、複雑極まる物理系であり、この宇宙のすべては真空から生まれた」-これが本書のメインストーリーです。(3ページ)2013年刊 場の存在を五感で感じる事はできな…
第四の消費 つながりを生み出す社会へ (朝日新書) 三浦氏は消費社会の分析に携わる。現代を第四の消費と呼ぶ。「物自体の所有に満足を求める傾向は弱まって、人とのつながりに対する充足を求める傾向が強まること、物は、人とのつながりをつくるための手段に…
科学の方法 (岩波新書 青版 313) 中谷宇吉郎(1900ー1962)は、日本の物理学者、随筆家。世界で初めて人工雪の生成に成功した事で知られる。1958年刊 物質とは何か? 物質には、色や形や硬さとは無関係に、質量と称すべきものがあって、それは天秤に、目方とし…