毎日1冊、こちょ!の書評ブログ

2013年8月から毎日、「そうだったのか」という思いを綴ってきました。

2017-06-01から1ヶ月間の記事一覧

我々は何の為に戦っているのか?~『戦闘妖精・雪風(改)』神林長平氏(2002)

戦闘妖精・雪風(改) (ハヤカワ文庫JA) 原作は1984年のSF小説、【 ネタばれ注意】 南極大陸に突如出現した超空間通路によって、地球への侵攻を開始した未知の異星体「ジャム」。反撃を開始した人類は、「通路」の彼方に存在する惑星フェアリイに実戦組織FAFを…

宇宙と生命誕生の謎に同時に迫る!~『 地球外生命は存在する! 宇宙と生命誕生の謎 』縣 秀彦氏(2017)

地球外生命は存在する! 宇宙と生命誕生の謎 (幻冬舎新書) 「人類が21世紀中に、地球以外の星で生命を見つける可能性は50%以上」(2017) 今実際に解っていること 2014年、国立天文台の大石雅寿博士らの研究チームが、アミノ酸の一歩手前の化合物メチルアミン…

”バカ”、では死なない~『多動力』堀江 貴文氏

多動力 (NewsPicks Book) すべての産業が「水平分業型モデル」となり、結果〝タテの壁〟が溶けていく。 この、かつてない時代に求められるのは、各業界を軽やかに越えていく「越境者」だ。そして、「越境者」に最も必要な能力が、次から次に自分が好きなこと…

”非自発的雇用”とは奴隷状態のこと~『 ケインズはこう言った 迷走日本を古典で斬る』高橋 伸彰氏(2012)

ケインズはこう言った 迷走日本を古典で斬る (NHK出版新書) 高橋氏は経済政策の研究者、ケインズなら、日本経済にどのような処方箋を書くか?(2012) 非自発的雇用 ・・・年間2000時間働いても年収200万円にも満たない時給1000円未満のワーキングプアや…

地球を動かす新しいビー玉を考えよう~『医薬品クライシス―78兆円市場の激震』佐藤健太郎氏(2010)

医薬品クライシス―78兆円市場の激震 (新潮新書) 佐藤氏は医薬品メーカーで創薬研究に従事、現在はサイエンスライター。巨額の投資とトップレベルの頭脳による熾烈な開発競争をもってしても、なぜ新薬は生まれなくなったのか?(2010) 創薬は人類最難の事業 …

神話が伝えること、危機に直面することが生きること~『神話の力』J・キャンベル×B・モイヤー(2010)

神話の力 神話はなんのために生まれ、私たちに何を語ろうというのか?(原書は1988、文庫は2010) シャーマン・イグジュガルジュク 彼はカナダ北部のカリブー・エスキモーのシャーマンでね。ヨーロッパからの訪問者に対してこう言ったものだ―『唯一の正しい…

ローマ帝国と近代国家はどこが違うのか?~『「ローマ史」集中講義』長谷川岳男(2011)

面白いほどスッキリわかる!「ローマ史」集中講義 (青春新書インテリジェンス) イタリアの小都市国家がなぜ“世界”を制覇できたのか?(2011) ローマの共和制 ・・・ローマの貴族たちが王を廃して集団指導体制を取ったのが共和制の始まりになりますが、平民も…

絵を100%理解することは可能か?~『[死ぬまでにこの目で見たい 西洋絵画100]』雑誌ブルータス

BRUTUS(ブルータス) 2017年 6/15号[死ぬまでにこの目で見たい 西洋絵画100] 絵を100%理解することか可能か? キリコの絵は謎めいていると云うことになっていますが、本当は全ての絵がそうなんです。どんなに分かり易く見える絵にも謎がありそれはつまり、私…

そもそも世界秩序は安定しないもの~『 リヴァイアサン』長尾龍一氏(1994)

リヴァイアサン (講談社学術文庫) 世界の部分秩序である国家を、「主権」という、唯一神の「全能」の類比概念によって性格づける国家論は、基本的に誤った思想である。(1994) 主権国家は誤りである 世界の部分秩序である国家を、『主権』という、唯一神の…

善人が良かれと思って悪行をする~『ヒトラーとトランプ 』武田 知弘氏(2017)

ヒトラーとトランプ (祥伝社新書) 20世紀最大の戦争犯罪人ヒトラーは、国民に待望されて登場した政治家で、当時のドイツには彼を迎え入れな ければならない深刻な事情がありました。(2017) ドイツのユダヤ人移民 近代ドイツは、工業化を推し進めるに当たっ…

産業革命以降のビジネスモデルは例外だった?~『 世界史を創ったビジネスモデル』野口 悠紀雄氏

世界史を創ったビジネスモデル (新潮選書) 歴史上の国家を“企業”、その活動を“ビジネス”として理解すれば、新たな視点が得られる。(2017) ローマ帝国の基本的な構造 ローマは、強力な軍隊を持ち、外敵の侵入を撃退しただけでなく、領土を広げてきた。それ…

アメリカのリベラルは何を読み間違ったのか?~『ドナルド・トランプはなぜ大統領になれたのか? 』西森マリー氏(2017)

ドナルド・トランプはなぜ大統領になれたのか? アメリカを蝕むリベラル・エリートの真実 (星海社新書) トランプ台頭、及びトランプ支持者を分析する本は既に数多く出版されていますが、その全てがリベラルな視点から書かれたもので、多くはまるで科学者が下…