毎日1冊、こちょ!の書評ブログ

2013年8月から毎日、「そうだったのか」という思いを綴ってきました。

フィクション

我々は何の為に戦っているのか?~『戦闘妖精・雪風(改)』神林長平氏(2002)

戦闘妖精・雪風(改) (ハヤカワ文庫JA) 原作は1984年のSF小説、【 ネタばれ注意】 南極大陸に突如出現した超空間通路によって、地球への侵攻を開始した未知の異星体「ジャム」。反撃を開始した人類は、「通路」の彼方に存在する惑星フェアリイに実戦組織FAFを…

思考停止に気付く、このセリフ~『 叡智の断片』池澤夏樹氏(2011)

叡智の断片 (集英社文庫) 池澤氏は小説家、独自の視点で選んだユーモラスで味わい深い言葉の数々は、今を生きる私たちの心にじわりと効く妙薬。(2011) 中絶と死刑 ブッシュ大統領は中絶には反対で死刑には賛成なの。釣りでいうキャッチ・アンド・リリース…

日常生活に意識は要らない~『ハーモニー 』伊藤計劃(2010)

ハーモニー (ハヤカワ文庫JA) 本書はSFフィクション、21世紀後半、〈大災禍(ザ・メイルストロム)〉と呼ばれる世界的な混乱を経て、 人類は大規模な福祉厚生社会を築きあげていた。 医療分子の発達で病気がほぼ放逐され、 見せかけの優しさや倫理が横溢する“…