2014-01-01から1年間の記事一覧
遣唐使 (岩波新書) 東野氏は日本古代史の研究家、「七、八、九世紀の約三百年にわたる日本古代外交の実態と、その歴史的な意義を読み解く。」2007年刊 遣唐使の時代は、日本の国家機構の確立期、そして例外的な時期 遣唐使の帰還率は60% 出発や帰還時期の制…
カラー版 - ゴッホ〈自画像〉紀行 (中公新書) 木下氏は近代思想芸術史、ゴッホの研究家。木下氏の自画像のフレームワークでゴッホを論ずる。2014年刊 彼の画家人生は、わずか10年あまりにすぎない。その短い歳月に、四〇点を超える自画像を遺した。 自画像以…
悪魔のサイクル 2013年新装版 大前研一BOOKS (NextPublishing) 本書は1973年発行、今から約40年前、大前氏の数多い著作の第1作目。 41ページ、明治が個人主義を掴もうとしていた時代、と表現 (平成15年の第13版の旧版) 大前健一氏の覚悟 専門家の目には、こ…
データの見えざる手: ウエアラブルセンサが明かす人間・組織・社会の法則 日立製作所中央研究所で2006年に開発されたウエアラブルセンサ「ビジネス顕微鏡」による人間行動の研究が、いま、人間・組織・社会の理解を根本から変えようとしている。2014年9月刊…
自由からの逃走 新版 ドイツ生まれの社会心理学者エーリッヒ・フロムによって1941年に発表された。フロムはヒトラーの全体主義に世界が震撼するその最中に、この作品を世に送り出した。 自己表現する事、それが世界につながる事 自由獲得の400年 中世末期以…
ゼロ・トゥ・ワン―君はゼロから何を生み出せるか ピーター・ティールは米国の起業家「僕たちが新しい何かを生み出すたびに、ゼロは1になる。」2014年9月刊 資本主義と競争は対極 資本主義は資本の蓄積を前提に成り立つのに、完全競争下ではすべての収益が消…
日本人はどんな大地震を経験してきたのか (平凡社新書) 2014年11月に発生した長野県北部地震は神城断層のずれによる内陸型地震だった。改めて地震と日本の社会の関係を考えてみた。 寒川氏は地震考古学を研究、「地震といかに付き合っていくか。これは、日本…
自由はどこまで可能か=リバタリアニズム入門 (講談社現代新書) ロン・ポール氏の本からリバタリアニズムという主義を知り、本書を手に取る。 森村氏は法哲学の研究家、本書は2001年刊。 リバタリアニズム(libertarianism)とは リバタリアニズムは、個人的…
大仏はなぜこれほど巨大なのか (平凡社新書) 大仏からインドのストゥーパ、ローマ神殿まで、世界の宗教建築はさまざまに存在するが、その不思議をシンプルに突き詰めてゆけば洋の東西を問わず発見できる「真実」がある。 武澤氏は建築家、2014年刊 世界最大…
ロン・ポールの連邦準備銀行を廃止せよ ロン・ポール :テキサス州選出連邦下院議員(共和党所属)。リバータリアニズム政治思想の旗手。2012年の大統領選挙では共和党予備選に出馬、指名獲得には至らなかったものの、インターネット上を中心にその主張が多くの…
大絶滅―遺伝子が悪いのか運が悪いのか? 生命誕生から35億年。進化した500億種の生物のうち現在生息するのは約4000万種。99.9%の生物種が絶滅。進化史において生死を決定したのは必然か偶然か。 ラウプ氏は三葉虫が2億4500万年前に大量絶滅した事を研究し、本…
イチョウ 奇跡の2億年史: 生き残った最古の樹木の物語 この愛すべき樹木がたどったあまりに数奇な運命!2億年近く生き延びたあとに絶滅寸前になったイチョウは、人間の手で東アジアから息を吹き返した。 イチョウは2億年前に誕生し、1億5千万年前にピークを…
地球の変動はどこまで宇宙で解明できるか: 太陽活動から読み解く地球の過去・現在・未来(DOJIN選書) 2014年以降おこる事~黒点の数は減るサイクルへ 2014年を過ぎると、黒点数は数年をかけてゆっくり減っていくと考えられます。問題は、どれくらいの時間をか…
かくれた次元 ホール氏は米国の文化人類学者。原書は1966年の刊行。 動物の縄張りなどの研究などから対人間の空間認識につなげていく。 ルネッサンスは線型遠近法 ルネッサンスの画家は、遠くの対象の視覚的構成を調べるのに見る人一定においたが、レンブラ…
書物の近代―メディアの文学史 (ちくま学芸文庫) 紅野紙は近代文学・メディア論の専攻、1999年文庫化 書物の近代 読書の基底にあるのは、言葉の音と形を、舌・目・耳・手でモノとして感じとめながら、同時にそれに呼応して想像の世界においてもう一つの身体が…
動きが心をつくる──身体心理学への招待 (講談社現代新書) 春木氏は身体心理学が専攻、2011年刊。 心は身体の動きから生まれた 脳という中枢の存在は、末梢である四肢の活動の経験の集積であって、末梢である身体なしに存在し得ない。大雑把な言い方になるが…
Amazonランキングの謎を解く: 確率的な順位付けが教える売上の構造 (DOJIN選書) 服部氏は確率論、数理物理学の研究家。2011年刊。 チャート:y軸の最小目盛りは順位1位、最大は順位80万位を現す。 ある本が売れたらランキングを1位にする 根幹は単純も単純…
確率的発想法~数学を日常に活かす 小島氏は数理経済学の専攻、不確実性の存在下での意志決定論、1994年刊 エルスバーグのパラドックス(1961年) 数理経済学者のダニエル・エルスバーグは、1961年に発表した論文で、次のような実験結果を報告しました。まず…
「退化」の進化学―ヒトにのこる進化の足跡 (ブルーバックス) 大塚氏は解剖学の研究家、「退化器官でたどるヒト4億年の歴史」 退化とは 退化はもともとdegenerationやreductionの訳で退行、形成不全、縮小という意味である。ところが進化の逆が退化と誤解され…
川はどうしてできるのか (ブルーバックス) 藤岡氏は地球科学の研究家、「 時空を超えた、壮大な地形のミステリーツアーをぜひ体験してください。」 ヒマヤラ山脈を乗り越える川 ヒマラヤ山脈を乗り越える4つの皮は、山脈ができる前から存在していました。ヒ…
ことばと文化 (岩波新書) 鈴木氏は言語社会学が専門、「 文化が違えばことばも異なり、その用法にも微妙な差がある。」本書初版は1973年!、私の手元には2013年第73版がある。間違いなく名著である。 H2Oを示す言葉 化学式ではH2Oで示すことのできる物質は、…
理不尽な進化 :遺伝子と運のあいだ 「絶滅」という視点から生命の歴史を眺めながら、進化論という史上最強の思想が私たちに呼び覚ます「魅惑と混乱」の秘密を明らかにしていきます。2014年10月刊 進化論には3つのパターンしかない リチャードドーキンズは、…
翻訳と日本の近代 (岩波新書) 日本の近代化にあたって,社会と文化に大きな影響を与えた〈翻訳〉。何を,どのように訳したのか。また,それを可能とした条件は何であり,その功罪とは何か?1998年刊。 LinguaFranca「フランク王国の言葉」を意味するイタリア…
図解・感覚器の進化―原始動物からヒトへ水中から陸上へ (ブルーバックス) 嗅覚から感覚器に興味を持ち本書を手に取る。岩堀氏は解剖学が専門、感覚器を生物進化、発生論の視点から説明する。 すべての感覚は活動電位の変動である。 どんな感覚器があるか? …
メディアミックス化する日本 (イースト新書) 大塚氏はまんが原作者、批評家 。「モラルなきWebは愚民政治装置である」 メディアミックス(media mix)とは、広告業界の用語で商品を広告・CMする際に異種のメディアを組み合わせることによって各メディアの弱…
美味しさの脳科学:においが味わいを決めている 著者は神経生物学の研究者。2014 年4月刊 「美味しさの正体を、脳科学がとらえた」美味しさ(味わい)は、口ではなく、脳が創り出している。その決め手は、口中から鼻に抜けるにおいであり、「においのイメージ」…
老化はなぜ進むのか―遺伝子レベルで解明された巧妙なメカニズム (ブルーバックス) 近藤氏は細胞老化と解糖系代謝の研究者、ヒトは細胞から老化する―そのプロセスを最新の研究をまじえて解き明かす。 ミトコンドリア性悪説 ミトコンドリアは、恒常的に酸化ス…
たいていのことは20時間で習得できる 著者のジョシュ・カウフマンは、ベストセラー『Personal MBA』(ビジネススクールに行かずに、MBAの知識を身に付ける方法を説いた)の著者。2014年9月発刊 やってみたい事はどんどん膨らんでいく やあ、僕はジョシュ・カウ…
「美しい顔」とはどんな顔か: 自然物から人工物まで、美しい形を科学する (DOJIN選書) 著者は「芸術学部に所属する理学系教員として、アートと数学、サイエンスのコラボをめざす。」2013年9月発刊 黄金比とは 黄金比(golden ratio)の近似値は1:1.618、約5:…
フードトラップ 食品に仕掛けられた至福の罠 加工食品に巧妙に仕掛けられた「至福ポイント」の罠に落ちる消費者―。ピュリッツァー賞ジャーナリストが巨大食品企業の欺瞞と苦悩を丸裸にする。 コカコーラは味覚、嗅覚、触覚を刺激~加工食品とは如何に感覚を…