毎日1冊、こちょ!の書評ブログ

2013年8月から毎日、「そうだったのか」という思いを綴ってきました。

どうしてやりたい事を我慢する必要があるのか?~書評「たいていのことは20時間で習得できる」

 

たいていのことは20時間で習得できる

 著者のジョシュ・カウフマンは、ベストセラー『Personal MBA』(ビジネススクールに行かずに、MBAの知識を身に付ける方法を説いた)の著者。2014年9月発刊

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やってみたい事はどんどん膨らんでいく

やあ、僕はジョシュ・カウフマン。何を隠そう、”学習中毒”だ。・・・「学習したいことリスト」には何百という項目がならんでいる。アマゾンドットコムのショッピングカートには、読みたい本が241冊もたまっている。・・・やってみたいことリストは、日々際限なく膨らんでいく。(9ページ)

私もまったく一緒である、読みたい本は沢山あるが、、、

超速スキル獲得で目指すのは必要十分なスキル

世界のトップレベルになるには本気で1万時間努力する必要があるが、「自分の目標」にあった「そこそこのレベル」に到達するのに必要な努力ははるかに少ない。・・・本書のテーマは必要十分な能力をどうやって身につけるかであり、世界一流の技を習得する方法ではない。・・・1万時間の努力はプロの皆さんにお任せして、まずはまず20時間、意識を集中し、知的に、明確な目標を持って努力するところから始めよう。自分にとって価値ある結果を、わずかな努力で手に入れるのだ。(14ページ)

スキルは脳を変える

人間には「可塑性」がある。これは神経科学の専門用語で、脳は環境、行動、行動の結果に応じて物理的に変化することを指す。あなたが身体的、あるいは頭を使って新たなスキルを学習すると、練習に伴って脳の”配線”が変化する。(26ページ)

出来る、変われるという事は脳科学からも妥当という事になる。

「新しい事はけっこう簡単」と信じる事

新しい事にチャレンジするのは難しく時間のかかる事と思い込んでいないか?一番のハードルはこの刷り込みを外す事である。本書で著者はヨガ、囲碁タッチタイピング、コンピュータプログラミング、ウクレレ、ウィンドサーフィンを習得した。

もちろん超一流になった訳ではなく「十分愉しめるレベル」である。著者の言う「十分愉しめるしめるレベル」というのはかなり高いレベルである。新しい配列のタッチタイピングで60ワード/分を実現している。著者はこの6個のスキルを1年間!で習得した。スキルを習得し新しい事を始めるのに時間はかからない。

改めてスキルとは何か?

スキル(skill)とは通常、教養や訓練を通して獲得した能力のことである。日本語では技能と呼ばれることもある。(Wiki)

この本のフレームワークで解釈すれば「スキルとはやりたい事に必要な技(わざ)」となる。長時間の訓練によって獲得してもいいが、「短時間で習得できる技、テクニック」である。

スキル、学習、トレーニング

スキルを反復して洗練度を上げるのがトレーニングであり、トレーニングの効率を上げる知識を獲得するのが学習と言っている。実際問題我々はこれを混同している。まずはスキルを獲得し、愉しくやりたい事を実践する、それがトレーニングという事である。根性論に陥ったらそれは必要なスキルが不足していると考えるべきだ。

何より重要な「やりたい事」

著者は思想家カール・ホパーを引用する。「人間に起こり得る最高の経験は、問題をみつけ、それに夢中になり、さらに魅力的な問題が現れるまではその解決にすべてをささげることだ」というものだ。」(31ページ)スキルを獲得する上で重要な事は「やりたい事」という事であろう。そして当然それは「やれる事」である。たいていの事は20時間でスキルを獲得できるのだから、、。

蛇足

20時間でやれるなら我慢する必要はない!

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