毎日1冊、こちょ!の書評ブログ

2013年8月から毎日、「そうだったのか」という思いを綴ってきました。

我々はどうして、そしてどうやって砂糖を摂取しているか?~「フードトラップ、食品に仕掛けられた至福の罠 」より

フードトラップ 食品に仕掛けられた至福の罠

加工食品に巧妙に仕掛けられた「至福ポイント」の罠に落ちる消費者―。ピュリッツァー賞ジャーナリストが巨大食品企業の欺瞞と苦悩を丸裸にする。

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コカコーラは味覚、嗅覚、触覚を刺激~加工食品とは如何に感覚を刺激するかを競っている

 

加工食品と糖、米国では糖分摂取の2/3が加工食品由来

糖は、食べ物や飲み物にあらがいがたい魅力をもたせるだけではない。糖を加えるとどーナツはより大きく膨らみ、パンは日持ちが良くなる。こんがりきつね色をしたたくさんのシリアルを作ることもできる。生産に極めて好都合な糖の成分が次々に見出され、糖は加工食品に欠かせない成分になっている。平均すると、米国人はカロリーを持つ甘味料を年間約32キログラム消費している。これは一日一人当たり小さじ22杯分の砂糖に相当する。(33ページ)

加工食品会社

消費者のことを親身に気に掛けるのは、こうした(加工食品)企業の本質ではないのである。彼らはライバルとの競争で忙しい。・・・食料品の売り場を見れば一目瞭然だろう。彼らはお互いを何とか出し抜こうと、塩分・糖分・脂肪分で商品を武装させて、戦場に送り出している。・・・株主の支配力も食品業界を大きく動かしている。・・・販売量と売上高だ。そうでなければ企業は生き残れない。利益を出すことが企業に唯一の存在理由だからだ。(451ページ)

消費者が知るべき事

加工食品は魅力を最大限度に高める意図のもとで開発されているからだ。いや、緻密な計算のもとで設計されているというほうが適切だろう。・・・加工食品の原材料とその配合は熟練の科学者や技術者たちによって綿密に計算しつくしたものだ。知っておくべき最も受容なポイントは、食料品店の店頭に偶然の要素は一つもないということである。(452ページ)

塩分・糖分・脂肪分は加工食品会社の目的に合っている

食品業界がなぜこれほど塩分・糖分・脂肪分に頼るのかもはっきりわかる。この3つの成分は安い。そしてお互いに補い合う。この3つの成分は、不自然な食品に強大な力を与えている。(464ページ)

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 砂糖コーティングのシリアル Food Fight - Video - NYTimes.com

 

秘密はどこにも無かった

加工食品は塩分・糖分・脂肪分を多量に使う。塩は安価であり、脂肪分を加えればコスト負担がほとんどなく食感を高められる。そして糖分は果物など高価な食材の代替となる。つまりは安いのである。そしてこの3つが無ければ加工食品は食欲を沸く事が無い。糖分をどれだけ含有させればいいか、マーケティングとコンサルティングにより精緻に分析されている。結果は明白である。コカコーラの売上は1980年から1997年で4.5倍に拡大、米国人は年間200リットルの清涼飲料水を消費した。20CCのパスタソースには2杯分の砂糖が使用されている、トマトの使用量を減らす為である。

事実を認識する事

加工食品は安い、そして感覚を刺激する様にチューニングされている。すべては公表されている。この事実を受け入れる事が自分の選択を拡げていく。

蛇足

我々は砂糖の多くを加工食品経由で摂取している

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