「地球外知的生命探査」=宇宙人探索、が科学と言えるのか?~地球サイズの文明時間を拡張する為に
宇宙人の探し方 地球外知的生命探査の科学とロマン (幻冬舎新書)鳴沢氏は日本におけるSETI
(SETI Search for Extra‐Terrestrial Intelligenceの第一人者。「人類永遠の謎は、いまやSFではなく現実の科学のテーマになった。」本書の帯は「なぜ2014年見つかりそうなのか?」
NASA探査機ケプラーによる太陽系外惑星の発見
地球型の太陽系外惑星を探すためにアメリカ航空宇宙局が2009年打ち上げ運用開始した宇宙望遠、10万個の恒星の明るさを測定し、惑星が主星を隠す時に生じる周期的な明るさの変動を検出すること(トランジット法)を目標としている。
2013年NASAは、地球と同規模の太陽系外惑星を3つ発見したと発表した。このうち2つは地球から約1200光年のこと座にある「ケプラー62e」と「ケプラー62f」で、 大きさはそれぞれ地球の1.6倍と1.4倍、中心にある恒星との距離が地球と太陽との距離のように適度に離れていて、生命の存在に必要不可欠な液体の水が存在する可能性が高い「ハビタブルゾーン」にあるという。(wiki)
「既に太陽系を含む天の川銀河の中に複数の、少なくとも2つの地球に似た惑星がある事を認識している。」という事。これは地球以外に知的生命体が存在すると前提する事。
どうやって宇宙人を探すか? ~レーザーを使ったOSETI(Optical SETI)
地球で観測できるレーザー光を放射する為には必要なレーザーは50キロワットの放射、これはすでに軍事目的では使用、但し恒星間の時間距離を考慮するとより高出力で出力時間を短時間にさせる事で可能。「これはすでに現在の地球にある技術を組み合わせれば、恒星間レーザー放射は可能であり、OSETIには根拠がある、つまりサイエンスである」(155ページ)
ではそもそもどうしてSETIを行うか?~鳴沢氏の主張、文明の継続性の確証の為
天の川銀河は120-130億年前に形成され、形成後50億年を経過をすれば最小の文明が誕生していた可能性がある。
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今もその文明が継続しているとすると50億年以上の時間が経過している
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50億年以上文明が継続するには一つの惑星、一つの恒星だけではエネルギー消費から他の恒星に進出する必要がある
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SETIの存在を確認できた時、それは「文明の継続機関は、『永遠』なのです。」(298ページ)を確認できる
文明の継続には恒星への進出が必要
光速の10%の速さの宇宙船で近隣の2つの恒星へ移動してそこにある惑星に入植します。それぞれの惑星上で400年滞在して、新しい宇宙船を建造し、そこからまた二つの恒星へと飛び立ちます。それぞれの恒星(に存在する惑星)でまた400年かけて次の宇宙船の準備をして、それぞれの恒星からまた2つづつの恒星へ、、、。これをネズミ算敷きに計算していくと、たった500万年で天の川のすべての恒星を植民地化できるのです。(中略)天の川銀河の年齢おおよそ100億年歳に比べれば、あっと言う間に全ての恒星にたどりつくことが可能だというポイントが重要です。iET(地球外生命体)がやる気になれば、天の川銀河を短期間で征服することが可能であり、それもたった一つの文明があればいいわけです。
「恒星への進出に要するのは銀河の寿命の0.1%、人生100年に例えれば1カ月」、と天文学スケールでは一瞬の出来事である、という事。
我々は地球と同様ハピタブルゾーンにある惑星の存在、地球外知的生命体の存在を認識し、我々が文明を継続させるには一つの惑星の時間軸ではあまりに短い事を認識している。これは現在の科学と工学技術により認知しているフロンティアである。
蛇足
我々は文明を地球の時間軸より長い単位で思考できる。