5円玉とビットコインから分かる事~我々は抽象的な概念に価値を見いだせる
歯車の歴史をしりたくて本書を手にする、。5円硬貨に歯車が描いてある事を知る。
5円玉に描かれているもの~歯車
歯車とは日本工業規格(JIS)では「歯を順次かみ合わせることによって運動を他に伝え、又は他から受け取るように設計された歯を設けた部品」と定義。
5円硬貨の表面には、稲穂の稲が3本描かれており、中央の茎に穂の粒が描かれていることはよく知られていますが、歯車が描かれていることをご存じでしょうか?5円硬貨の中央の穴のまわりをよく見ると、歯数が16個ある歯車の模様が描かれていることがわかります。稲歩が「農業」を表しているのに対して、歯車は「工業」を表し得てのデザインだそうです。さらに詳しく見てみると、稲穂の下には水面を表した横線が描かれており、これは水産業(漁業)を表わします。また裏面に描かれている双葉は木を育てる「林業」を表しています。
稲穂:農業 歯車:工業 水面:漁業 双葉:林業 (硬貨は商業)
1円玉・5円玉の流通量は激減
最近の流通量の現象は電子マネーの普及などが要因と言われている。
電子マネー・ビットコインとは何か?~コンピュータルゴリリズムに信用力を見いだす
ビットコインは誰でも発行できるデジタルの「金貨」だ。パソコンに専用ソフトを入れ、難解な数式を計算させることでデータ(ブロック)を生成する。1ブロックを生成すれば報酬として25ビットコインを受け取れる仕組みだ。ブロック生成は、黄金堀りに見立てられて「採掘」とも呼ばれている。ビットコインの本質とな何なのか?(中略)
「まさに金相場と同じです」と、金融アナリストの野口能也氏は指摘する。金本位制の時代、(金は)信用通貨である銀行券との兌換に用いられていた。国が破綻して通貨の価値が下落したときも、金の価値は政府や中央銀行に依存しない為担保される。需給バランスによって価値が上下する一方、通貨との交換はたやすい。(30ページ)
5円玉とビットコインから見えてくるもの~抽象的な概念の共有
価値の交換は物々交換からスタートし、それが貨幣に変わった。貨幣は貴金属と国家の信用力によって担保されてきた。5円玉に歯車が描かれているのは「産業の繁栄」を象徴し、硬貨に信用力という抽象的な価値を認めるという共通理解が前提となっている。ビットコインの特徴は国家の信用力ではなく、高度に抽象化されたコンピュータ計算によってその価値を担保している。多くの電子マネーが企業の信用力を担保にしているとすれば今や我々はビッコインはコンピュータの作り出したアルゴリズムという抽象的な情報に信用力を見いだしている事になる。
蛇足
ビットコインをコンピュータで発掘するにはコンピュータが半端ではない電力を消費する。その意味ではビットコインもまだ物理的なコストを持っている。