毎日1冊、こちょ!の書評ブログ

2013年8月から毎日、「そうだったのか」という思いを綴ってきました。

江戸時代には金貨と銀貨の二つが変動相場制で流通していた~いわば一国二通貨制度?

暗号が通貨になる「ビットコイン」のからくり (ブルーバックス)

「国家の後ろ盾がある法定通貨」は、じつは完全無欠ではない。

江戸時代は実物資産として「米」があり、、、

江戸時代に通貨として機能した実物資産としての米があり、金融資産としての米切手と落札があります。(中略)これに加えて、通常の通貨として、「金、銀、銅」の3種の金属通貨が流通していたのです。(224ページ)

江戸時代は3つの通貨、金貨、銀貨、銅貨

金貨と銀貨には基本性質のちがいがあり、金貨は、一枚で一両の価値をもち、小判が5枚あれば5両と変えられました。これを「計数貨幣」と呼びます。銅貨も「計数貨幣」でした。他方、江戸時代で主に通用した銀貨は、丁銀や豆板銀と呼ばれ、不揃いな大きさをしていました。重さに応じて価値が決まる「升量貨幣」だったのです。このタイプの通貨の特徴として、たとえば100の価値を持つ銀貨を4対1の重さに切り分けると、大きい方が80の価値を、小さい方が20の価値をもつ銀貨として通用した、という事です。(225ページ)

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金貨と銀貨は変動相場制

江戸時代の金・銀・銅の交換相場は、一応の公定相場がありましたから固定相場制の側面もありましたが、変動相場制としての性格が強かったと思われます。江戸と大坂の銀貨の間の相場変動が、江戸と大坂のマクロ経済の不均衡を調整する機能を果たしていたからです。(228ページ)

 

江戸で主に流通した金と大坂で主に流通した銀、二つの通貨が変動相場制という事は、一国二通貨制度だった。

蛇足

人は便利だから一国二通貨を受け入れた。