毎日1冊、こちょ!の書評ブログ

2013年8月から毎日、「そうだったのか」という思いを綴ってきました。

やっぱり世の中は思ったより単純にできている。~今日を楽しく生きる為に思考停止しない方法。

コンピューターの原理は200年前のブール氏の記号論理学に遡る

 

ジョージ・ブール(1815-1864)は、英の数学者・哲学者。今日のコンピュータを理論的に支える記号論理学であるブールの提唱者として知られる。

記号論理学

数学的関係を表すのに用いられる形式的ことばとそれによる推論を、普通のことばとして表されることに由来する不明瞭さを避けて記述し推論するために、論理学の上の語とそれによる論理計算として表現できるように拡張された論理学のこと。

 

0と1の話 ブール代数とシャノン理論ナーイン氏はサイエンスライターと推測、「オン/オフによる電気的リレー回路および現代の情報理論をどのように導き、コンピュータを具現化したのか。」(本書帯より)

 

イギリスの数学者ジョージ・ブールが、「思考法則の研究」(1864)という、(同時期ダーウィン種の起源同様)やはり人類市場に巨大が影響を及ぼすことになる本を出版した。ところがブールの業績の重みは当時、ダーウィンの業績ほど評価されなかった。それだけでは直接影響を及ぼすには足りなかったからだ。それにはもう一つの貢献が加わる必要があったが、それが出てきたのは何十年も後になる。1938年にでた、米国の電気工学者にして数学者のシャノン(1916-2001)の成果がそれだった。この年、シャノンは有名な論文を発表した。ブールの数学を電気のリレースイッチ回路の形で実装sるう方法に関するものだった。ブールとシャノンのアイデアが一緒になって、デジタル時代の先触れとなった。

ブール代数を直感的に理解~集合図

どうやったら正しい判断を行う為の論理や推論を数学に置き換えられないか?

現在の表現でいうと、真1と偽0の二進法で表現、AND,OR,NOTの3つの記号の組み合わせですべての論理・推論を表現できる。

著者ナーイン氏は「記号が実際に何を現していようと、それとは無関係に論理的に矛盾しないで記号を「組み合わせる」法則を、直感的な集合の描き方によって説明。(61ページ)

以下は私の整理

例:日本人を集合全体とし、 A: 泳げる人、  B: ピアノが弾ける人

論理的な選択枝は以下の14種類の集合図で現せられる。(選択は赤と白で2種類、但し④だけAとBで計4種類)

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集合 - Wikipedia(一部加筆)

この14種類はANDとORとNOTの記号で現せる。ANDは①、ORは②、NOTは赤と白の関係。

例えば⑤の対象差の模式図は「排他的論理和」(与えられた2つの命題のいずれかただ1つのみが真であるときに真となる論理演算)だが上の図①ー上の図②=上の図⑤と同じ。

要するに日本人で、泳げるか、ピアノを弾ける人、泳げてピアノを弾ける人は含まない。

 

ブール代数の意味する所

例えば排他的論理和と聞けば、「何のこっちゃ」となる。でも「泳げるか、ピアノを弾ける人、でも両方できる人は除く」と言えば理解できる。本質的な問題は泳げるかとは、ピアノを弾けるとは、記号=言葉に曖昧さが残る事。論理的な思考を行うには「文字記号による曖昧さ」をまず除け、そうすればAND/OR/NOTの3つで判断できるよ、とという整理をした。そしてブールはこれを2進数で表現すると素早く計算できる。

論理クイズ、(あるいは権威種義弟文章)の多くが事の判断とは関係ない情報を紛れこませ、文字記号の曖昧さにより論理的思考を誤らせる事に気づく。

著者は本書の最後に「言語明瞭化装置」を紹介する。言語明瞭化装置はAをBに置き換える"夢"の機械である。(267ページ、当たり前だがコンピュータはA→B、B→Aはできないから比喩になる)

A:凝固した液体が高所から落下し、その後に固体の球形の物体となり、気体の状態で逆向きに輸送されて過程は終了した。

B:まず雨がふり、それから霰(アラレ)となって、最後には水が蒸発した。

 

活きていくのに必要な事は物事は思ったより単純、と信じる事。複雑に思えるのは言葉の難解を前にして思考停止しているか、推論とは関係の無い情報(感情も含め)が「からみついている」からと信じる事。

蛇足

コンピュータは3つのものは同時に比べられない。