毎日1冊、こちょ!の書評ブログ

2013年8月から毎日、「そうだったのか」という思いを綴ってきました。

素粒子論を素「波動場」論と読み替える

(field)とは、物理量を持つものの存在が別の場所にある他のものに影響を与えること、あるいはその影響を受けている状態にある空間のこと。(Wiki)

 素粒子論はなぜわかりにくいのか (知の扉)吉田氏は素粒子、宇宙物理に関する著作がある。

吉田伸夫氏のweb:科学と技術の諸相

場の量子論

素粒子に関する理論はデモクリトス的な原子論からアリストテレス的な場の理論へと転換がなかれた。何もない真空の中を粒子が飛び回るという原子論は否定され、あらゆる領域に場が存在し物理現象を引き起こすという考え方が正当化されたのである。(21ページ)

空間と一体化した場は、電磁場・電子場・クオーク場・グルーオン場・ヒッグス場など何種類もあり、多数の場が同じ地点に重なって存在して相互に影響を及ぼしあう。(22ページ)

吉田氏は場の考え方を理解する為「無数のバネを連結したモデル」を使って説明する。

多数の場の整理

現実の三次元空間を外部空間と呼ぶ事にする。外部空間は、滑らかなン続体ではなく、小さな領域の集まり(さいの目状)と見なせ、外部空間とは無関係であり、内部空間と呼ぶ。格子の間で波動が伝播する。(口絵)

f:id:kocho-3:20131211075547p:plain

 

場を伝わる波動

素粒子は、量子論の性質によっって場が粒子のように振る舞っているだけなのである。(57ページ)

f:id:kocho-3:20131211075341p:plain

「粒子はないが、黄色くマークした粒子がある様に場が振動する。」と理解。

我々の宇宙は、

ビックバンの直後は、あらゆる場が高いエネルギーを持っており、宇宙は、様々な素粒子のスープの様な状態になっていた。その後急速に宇宙が膨張して温度が低下したため、大部分の場はエネルギーを失い素粒子は消滅していったが、電子・陽子・中性子などのフェルミオンは単独では消えることができず、宇宙に取り残された。これらが重力で集まって天体を形成し、我々が生息できる環境を生み出したのである。(77ページ)

 

吉田氏の解説をチャート化してみた。f:id:kocho-3:20131211074856p:plain
蛇足

素粒子論は粒でないから、素「波動場」論がイメージに合う。