毎日1冊、こちょ!の書評ブログ

2013年8月から毎日、「そうだったのか」という思いを綴ってきました。

素朴物理学~曲がったホース

 ニュートンの万有引力、1687年に出版された「プリンキピア」以前は人はどう考えていたのか?子供に聞かれた。

デカルト(1596-1650)は渦動説で説明している。ウィキペディアによると

・天体を運動させているのは天体を囲んでいる物質が天体を押しているからだとし、その物質は渦のように動いているとする。

・物体の運動というのは直接に接触して押さなければ変化するはずがない、とする考え が含まれている。

・1735年に地球の計測結果から地球の形状を確認、渦動説(宇宙に渦巻く微小物質に押されて地球の形は極方向に伸びた回転楕円体)、ニュートンの説(遠心力により地球は赤道付近が膨らんだ回転楕円体)に決着がついた。

 

考えることの科学―推論の認知心理学への招待 (中公新書)

市川伸一氏は認知心理学の研究者。この本の中で素朴物理学を紹介している。

 素朴物理学は、ニュートン力学以前の力学、すなわちアリストテレスの力学や、中世の力学に近い性質を持っているといわれている。(160ページ)

事例として曲がったホースの例(159ページ)を挙げているがこれと渦動説を並べてみた。

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ニュートンが1687年にプリンキピアを出版して半世紀後に地球を実測して初めて皆が納得したという事であろう。ニュートン以前の人々が非科学的に考えていたのではなく当時の観測技術ではわからなかっただけ、理論が生まれ観測技術が追い付けば皆が理解をできる、という事と気づかされた。