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毎日1冊、こちょ!の書評ブログ

2013年8月から毎日、「そうだったのか」という思いを綴ってきました。

ロングテールは有名、ではその反対は何?~『ロングテール‐「売れない商品」を宝の山に変える新戦略』

ロングテール‐「売れない商品」を宝の山に変える新戦略 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

アンダーソン氏はハイテク雑誌の編集者などを経験、ニッチ商品の集積が、メガヒットの収益を凌駕する!ITの進歩によって多数の非ヒット商品の管理・宣伝コストが限りなくゼロに近づくとき、ヒット主導型ビジネスに比肩する利益がもたらされる。(原書は2006年、文庫は2014年)

ロングテールの逆さまは何か?

 ロングテールの逆さまはヘッドである。ヘッドは全体の20%の種類を占めるに過ぎないが、全体の80%の量を占めている。

ヘッド

ヘッドでは営利が優先される。高くつくが影響力は強い大衆市場の流通経路によって、商品から利益が生まれる。そこはプロの領域だ。プロ自身は好きなことをしているかもしれないが、それは同時に仕事でもある。このヘッドの世界では創造性は後回しにされる。生産と流通にコストがかかりすぎるからだ。金がプロセスを支配する。(115ページ)

僕たち人間は群れをつくる種であって、他者と一緒にいろいろやりたいときもあるのだ。集団でいると安心感があり、共有体験が親近感を生む。(224ページ)

ヘッドの商品しか置かないと、顧客はすぐ別のものを欲しがるけれど提供できない。一方(ロング)テールの商品しか置かないと、顧客がどこかから見ていけばいいかわからなくなる。(226ページ)

大都市はヘッドでありテールでもある

大都市はまた別の種類のヒット作品だ、地球上の人口密度をグラフにしたら、きっとべき法則分布になるだろう。上海やパリなど数少ない場所が膨大な人口を抱え、他の大多数の場所にはわずかな人口しかいない。・・・人口が一点に集中しがちー世界の大都市のことだーなのは、文化的にも、経済的にもたくさんの人々のそばにいることで得られる利点の数々が、都市生活にかかる費用を補ってあまりあるからだ。そしてその利点の一つは皮肉にも、あらゆるニッチの選択肢が膨大にあることなのである。ニューヨーク、パリ、東京のようなところには、実際何でもある。・・・これは都市の人口密度が高いため、広く分散しているはずの需要が凝縮されているから可能なのだ。インターネットが思想空間や文化空間のロングテールなのと同様に、都市はある意味で都市型空間のロングテールだと考えられる。(229ページ)

リアルな商品棚はヘッドである

(リアルな)商品棚はいま、時間と空間を最大限に活用するために高度に発達したサプライチェーンとつながったヒューマンインターフェース(人間とコンピュータをつなぐ接点となるもの。デバイスならキーボドなど)だ。・・・平均的なスーパーマーケットでは3万種類を越える商品を置いているが、最小のコストで最大の販売数を達成するため、すべてがいかにも見栄えよく棚に陳列される。(231ページ)

ロングテールビジネスの成功の秘訣

ロングテールビジネスを成功させる秘訣はまとめると次の大事な2点である。

①すべての商品が手に入るようにする。

②欲しい商品を見つける手助けをする。

ロングテールだけでは駄目

 

ヘッドとはヒット商品の集合である。ブランドが認知され、商品が人々の行動に刻み込まれている。現在の我々の消費生活は店舗の棚、ショッピングセンター全体、がすべてヘッドによって取り囲まれていると考えた方が良さそうだ。しかし一方で都市全体に広げるとヘッドだけでなくニッチの存在している。確かに世界各国のレストランがあり、様々な趣味の店がある。人は大都市というヘッドに集まる。人が沢山集まるかロングテールが提供できる。

アンダーソン氏はロングテールビジネスの秘訣は「すべての商品が手に入るようにする」と説明する。すべての商品の中にはヘッドに含まれるヒット商品も含まれていた。本書の副題は「売れない商品を宝の山に変える新戦略」である。ヘッドからロングテールまで揃えた上で、レコメンデーション機能などで商品を探しやすくする、これが成功の秘訣だという。逆にヘッドだけでは広告宣伝が大企業の独占ではなくなった今日、ビジネスチャンスを失っているか、ヒット商品が一気に陳腐化するリスクをはらんでいることを教えてくれている。本書の原書は2006年、今更ながら答え出ていた、と気付かされる。

蛇足

 

ロングテールは有名だがヘッドも大切

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