毎日1冊、こちょ!の書評ブログ

2013年8月から毎日、「そうだったのか」という思いを綴ってきました。

お正月に考えること、10年後のワクワクする自分~『 「10年後の自分」を考える技術 』西村行功氏(2012)

 

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(星海社新書)

 

 

10年後とは

10年後と聞くと、かなり先の「遠い未来」を思い描きがちだが、10年というのは実はそんなに長い時間軸ではない。・・・すぐにやってくる明日の話だ。どこかの夢物語ではなく、今日から行動を始めてやっと目標にたどりつけるかどうかという程度の、案外短い時間軸なのだ。(11ページ)

10年で起きるのはすでに起こった未来

(社会科学者・経営学者のピーター・ドラッガーは)予測でなくて「すでに起こってしまい、もはや元に戻ることのない変化」に着目すべてなのだと主張した。しかも「重大な影響力を持つことになる変化でありながら、まだ一般には認識されていない変化」を知覚することが重要なのだと。

ドラッカーは、第二次世界大戦に施工されたアメリカの退役軍人援護法が「アメリカの知識社会化」の大きなきっかけとなったことを、そうした変化の例として挙げている。・・・ドラッカーの眼には「人類史上初めて、知識が社会の重要な資源となっていく」ことが自明なこととして映った。なぜなら、金持ちかそうでないかにかかわらず、また成績抜群であるかどうかにもかかわらず、多くの若者に大学への門戸が開かれたからだ。(186ページ)

人生にも中長期戦略が必要

企業が中長期戦略を立て、時代の変化に合わせておれを柔軟に変えていくように、「人生しも中長期戦略が必要である」ということだ。・・・多少(計画が)遅れたとしても、「最後には取り戻すぞ」くらいの気持ちでちょうどいいのだ。たった一つの未来を描く「1本線の計画」を立ててしまうと、“遊び”や“余裕”がなんなる。・・・未来なんて完璧には予測できるわけがないのだから、計画だってブレるのが当たり前なのだ。むしろ、蛇行しながら徐々に目的地にたどりついていくようなイメージを持ったほうがいい。(324ページ)

コツその①~楽しい未来を考える

自分の考え方と行動次第で未来の可能性は本当に無限大であるはずなのに、往々にして人は、過去の思考パターンだけで主観的に未来を捉えてしまう。・・・本来、未来について考えるというkとおは「ワクワクすること」だったはずだ。・・・そういう未来もありうると考えないかぎり、そういう人生は絶対に送れない。(201ページ)

コツその②~~未来を過去形で表現する

シナリオプランニングでは、基本的に未来のシナリオは過去形で語ることになっている。なぜかといえば、そのほうが「未来に行って見てきた(体験してきた)」ように感じられるからだ。・・・人間は「○○だった」とすでに決まったことのように言われたほうが、思考が広がりやすくなる。(224ページ)

「10年後の自分」を考える技術

正月に1年の計画を立てる人も多いと思う。しかし1年では過去の延長線上でしか計画は立てられない。本書では思い切って10年スパンで考えることを勧める。私の実感では、企業の事業計画もせいぜい3年の計画であることが多い。

10年先となると環境変化に不確実性が高いことが、長期計画を難しくしているのは間違いない。しかし実はドラッガーが言う様に10年後の未来はもう実現していることも多い。“すでに起こった未来”に気づけるかは、10年というスパンで考える習慣があるか無いか、で決まってくる。企業も思ったより短期的な思考に留まっている。

今後寿命が100歳を越えようという現代、3年の計画では確実に短すぎる。もしかしたら10年でも短すぎるのかもしれない。10年後どんな自分になっいたいか、ワクワク考えるのも正月らしい愉しみ方であろう。

蛇足

10年後のワクワクする自分をどこまでリアルにイメージできるか?

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