毎日1冊、こちょ!の書評ブログ

2013年8月から毎日、「そうだったのか」という思いを綴ってきました。

誰にでも、未来を拓く1行は必ずある!~『一流の人は、本のどこに線を引いているのか』土井英司氏(2016)

 一流の人は、本のどこに線を引いているのか

土井氏は書評家、人生は「1本の線」から動きだす! 超実践的読書の技術とは?(2016)

 

 

情報の時代には批評家が不可欠

一冊の本に自ら引いた「1本の線」がときに革新的なアイデアをもたらしたり、人生を変えてしまうほどのインパクトを持ったりすることがある。

これまでの私にとって代表的な1本の線は、情報化についてたくさんの予言をした民族学者、梅棹忠夫の名著『情報の文明学』に引かれている。

「情報の時代は、情報の批評家ないしは解説者が不可欠である」

出版マーケティングコンサルタント、そしてビジネス書の書評家としての私のビジネスは、究極的にはこの1行に凝縮されている。(4ページ)

1本の線

これまで2万冊あまりのビジネス書を読んできた経験からは、1冊に100本の線を引くことよりも、100冊に1本ずつの線を見出すほうが現実的だし、実りが多い。(6ページ)

情報の情報~『情報の文明学』梅棹忠夫

(情報を)買う側も、損をしたと後悔しないために、情報に関する情報をあつめにかかる。情報の評価には情報が必要なのである。情報は原則的に先金制だからだ。・・・(情報の提供者の)宣伝にまとわされずに、信頼できる評者の批評をきいてからにしようということになる。情報の時代には、情報の批評家ないしは解説者が不可欠である。(情報の文明学267ページ)

私が引いた1行の線『広告宣伝に応じてものをつくる』

どの企業でもものをつくる。そしてその宣伝広告をやる。・・・わたしはこれが(情報の時代には)逆転するかもしれないと思っています。広告宣伝がまず根幹にあって、それに応じて、それにあうようにものをつくっていくという時代がくるのではないか。(情報の文明学139ページ)

一流の人は、本のどこに線をひいているか

土井氏は読書とは『自分の未来を拓く1行をみつける行為』だという。土井氏は自分のビジネスを梅棹氏の1行に抽象化している。自分の未来を拓くために読書をして、見つけ出した1行である。

わたしも情報の文明学を再読した。今の私には『広告宣伝に応じてものをつくる』という1行に線を引いた。ここからどういう未来が拓かれるか、楽しみである。

蛇足

それぞれの人は同じ本の、違う行に線をひく

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