事を成すには広告もまた必要~『誰も知らない男 なぜイエスは世界一有名になったか』ブルース・バートン(1924)
全米屈指の広告代理店の創立者、ブルース・バートンが描く、キリスト。人は生まれてから死ぬまで、自分を広告し続けなければならない。イエスの言動は現代ビジネスの真理を体現している。(原著は1924年、翻訳初版は1984年、復刻は2005年、引用は翻訳初版による)
聖書とは何か
貧しい少年が、辺鄙な田舎で育ち、大工になり、自分の力を自覚し、人にも影響を与え、弟子が集まり、やがて失望され、追われて死ぬ、という物語である。この死がしっかりと、そしてうまく設定されていたため、イエスは後世に名を残すことになった。・・・これまでどの本もイエスを神の子として書いてきた。しかし、イエスは人の子と呼ばれるのが好きだった、ということを強調しておいてもおこられはしないだろう。(11ページ)
モーセは多神教の世界に初めて唯一の神、という概念を持ち込んだ。その後時代を追って、神は公平な正義の神であり、許すことのできる善い神、という性格を持っていった。最後に「イエスは迷える弱い人間に向かって、死をおそれなくてもよい、胸をはって神を父と呼べといった。それはすべてを覆すことだった。民主主義の根本でもあった。」(78ページ)
無関心な人々の関心を呼び起こし、難しい宗教上の概念を身近なものに例えて話すというイエスのやり方を、弟子たちが学んでいたからである。(84ページ)
3年の布教活動の間、イエスは勝利者の座を誰にもゆずらなかった。市場、神殿の境内、大通りといった場所で、誰からの乗船でも受けてたった。(91ページ)
イエスの成功哲学
- 偉くなりたいと思うほど、人に仕えなければならない。
- トップの座につきたいと思ったら、一番下で尽くさなければいけない。
- 大きな報酬は、要求されないもう1マイルを行く者に与えられる。
(141ページ)
人間が生きることに意味があるのは、それらが神のすべてをつぎこんだ実験だからである。状況を打破し、運命にうち勝つような、完全な人間が現れるのを神は待っている。そのためのは、人間の才能や力をたとえ一つでも無にすることはできない。…すべての仕事が彼の父(=神)の仕事なのである。なんでも仕事をすることは神を崇めることであり、人に尽くし祈ることになる。(143ページ)
イエスの布教活動
友人を訪ね、自分をもっと自由にし、重荷をおろして神に預けるよう、もっと神を信じ、もっと喜び、もっと神に期待するよう訴えた。(154ページ)
キリストは天才的な広告マンだった
イエスの行動は当時新聞があればトップニュースになるような話題性のあるものだったという。イエスは人々に、相手の職業にあった、たとえ話をした。著者のバートンは一般論ではなく、日常の経験に根ざしたたとえ話をした。広告代理店の創業者であるバートンは、迷える子羊の話は、シンプルでインパクトがあり、広告のキャンペーンの様だと語る。
キリストは布教の3年間、様々な人と真剣に向き合って神を説いた。若く、大工という経歴を持つキリストは行動と言葉だけがたよりだったのである。
蛇足
事を成すには、宣伝が必要
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