2億年前超大陸パンゲアが分裂して長大な海岸線が生まれた~地球環境と生物の関係
シュービン氏はこのブログでも2014年3月取り上げさせて貰った『ヒトのなかの魚、魚のなかのヒト』の著者、古生物学者。
魚と陸生生物の中間生物、その化石がどうやって発見されたか?セレンビリティの成功原理 - 毎日1冊、こちょ!の書評ブログ
223ページ:少なくとも5回生態系は激変した!
2億年前に大西洋が生まれた
大西洋が形成されると、大気中の酸素濃度は劇的に上昇した。今から4000万年前になるまでに、大気は人間が座っているだけであえいでしまうようなものから、人間が平気で走り回れるものへと変化した。2億年以上前に亀裂が入り始めた太古の超大陸は、やがて幾つもの部分に分裂し、その結果ものすごい長さの海岸線ができた。海外とは、陸と海が接する場所だ。
大西洋によって長い海岸線も生まれた
ここに新しい海岸線ができて、そこから大量の土砂やら生物の遺骸やらが海に流れ込みはじめたとよう。これらのものが海底に堆積するようになると、それまで大陸棚の表面を覆っていた特殊な泥が、新しい堆積物で埋まってしまう。この特殊な泥は、日々数兆個死んでいく単細胞生物の遺骸が海底に沈んでできたもので、遺骸の腐敗が進むに伴い、酸素をどんどん消費するからだ。・・・腐敗していく過程でまずは海水から、そしてやがて大気から、膨大な量の酸素を奪って消費してしまう。
191ページ
海岸の堆積物は酸素の消費を抑える
しかし新たな堆積物によってこの層が埋もれてしまうと、酸素の消費の勢いは衰え、海水中、大気中に酸素が蓄積しはじめる。・・・酸素を消費する泥が埋め立てられ、大気中の酸素レベルが上昇に転じたのである。
2億2千年前から上昇に転じる地球の大気 - Wikipedia
2億年前酸素が増えて哺乳類が誕生
私たちのような哺乳類は、エネルギーを大量に消費する生活を送っている。私たち哺乳類は、体の熱を自分で生み出す。筋肉の働きと体毛、体脂肪、、衣服(人間の場合)による遮断効果が相まって哺乳類はの体温は外界に対して相対的に安定している。・・・この様な特徴を持った哺乳類は、超大陸が分裂する前の低酸素世界に出現することは絶対に不可能だった。(193ページ)2億年前のころ、想像できるあらゆる姿をした爬虫類が地球をうろついていた。哺乳類は小さな「とがりねずみ」程度の大きさしかなく、鳥は全く存在していなかった。(225ページ)
超大陸の分裂の影響
「超大陸の分裂→大西洋の誕生→海岸線の長さが飛躍的に増加→堆積物の増加→堆積物は腐敗と酸素消費をする事なく海底へ→酸素濃度の上昇→酸素多消費の哺乳類の誕生」というのが著者の回折である。
超大陸の分裂が長大な海岸線を生んだ。この関係を巨大組織が分裂し、世界とのインターフェースが増大した事と準えたくなく。
蛇足
組織の分裂が外部とのインターフェースを増やす