50年後のゴールデンウィークには宇宙旅行が当たり前になっているという事実~当たり前でないのはゴールデンウィークという習慣!
浅川氏はヴァージンギャラクティック社の日本代理店の代表。 「宇宙専門旅行会社」社長が語る、宇宙旅行の今!世界でどのようなことがおきつつあるのか、それはどのような新しいビジネスに発展する可能性があるのか」
どこからが宇宙か?
良く使われる定義は、「一般的に高度100キロ以上を宇宙空間という」というものだ。「一般的に」という最初の4文字がクセ者で、この裏には宇宙を定義する正式な決まりはないという事実がある。つまり法律や国際条約、国連の決議に至るまで、どこを探してもここから先は宇宙ですという正式な決まりが無いのだ。決まりがないということ自体が一般的にはあまり知られていない事実でもある。一方、「国際航空連盟」という国際民間団体(1905年設立、本部スイス)は高度100キロ以上を宇宙と規定しており、これが先程の「一般的」の事実上の根拠になっている。(80ページ)
準軌道宇宙旅行~サブオービタル
「サブオービタル」とは「準軌道」と訳され、ヴァージン社のような宇宙空間に達して4分間程度滞在して地球に戻ってくるタイプの宇宙旅行は「準軌道宇宙旅行(飛行)」と専門的には呼ばれている。「大砲の弾のような軌道なので、弾丸宇宙旅行(飛行)とも呼ばれ、(中略)これに対して人口衛星のように地球の周りをぐるぐると回る宇宙旅行は「軌道宇宙旅行(飛行)」と呼ばれる。(67ページ」
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25万ドルは高いか、安いか?
海外旅行は50年前の1964年に自由化されたが、最初のハワイ旅行は9日間で36万4000円。一生に一回体験できるかどうかの高価で希少な体験だった。当時の大卒初任給は約2万円。それが航空運賃の競争や機材の大型化などもあって価格が下がり、平均的な所得の人なら毎年でも行けるような時代になった。ハワイ旅行は今、当時の3分の1程でいける。しかも初任給は約10倍の20万円。つまりハワイ旅行は実勢価格に直すと30分の1に下がったのだ。そう考えると宇宙旅行も2500万円の30分の1の100万円以下の価格にいつか確実になるだろう、それには50年もかからないかもしれない。(204ページ)
ゴールデンウィークに海外旅行は普通、ゴールデンウィークに宇宙旅行の時代が来るか?
今やゴールデンウィークに海外旅行をするのは日常の風景。100万円の宇宙旅行であれば選択する人は多いであろう。例えサブオービタルの4分とはいえ宇宙を経験する事は我々の視点を確実に拡張させる。宇宙は常に地球を、そして人間を客観的に見る視点を与えてきたのだから。
いつまでゴールデンウィークという言葉が使われるか?
ゴールデンウィークは1951年に映画の宣伝用に日本の映画会社が作った和製英語。日本が未だ高度成長期に入っていない、生産効率が最優先の時代に作られた言葉。私は50年後にゴールデンウィークという概念が重要な意味を持たないと思う。なぜなら生産効率を追求する必要は相対的にますます低下しているであろうから。
蛇足