毎日1冊、こちょ!の書評ブログ

2013年8月から毎日、「そうだったのか」という思いを綴ってきました。

自分が火星に移住したと思考実験をしてみる~2035年有人宇宙飛行が検討されているという現実

ミッション・トゥ・マーズ 火星移住大作戦

アポロ11号で世界初の月面歩行をした宇宙飛行士が語る、未来の宇宙旅行と火星入植計画のすべて!

f:id:kocho-3:20140711075446p:plain

52ページ、地球、月、火星が、内太陽系を定期的に運行する旅客や貨物でにぎわうハブになる

 

火星に行くという事

火星に我々が足を踏み下ろすことは、人間の不屈の精神に、人間を地球以外の惑星に着陸させるための技術が組み合わされなければ達成できない偉業だ。火星探査はアポロによる月探査とはまったく違う。もっと長期にわたるミッションで、帰還時に利用できる設備砥最低限しかないまま、地球を出発しなければならない。一旦火星まで行ったなら、地球への帰還の手段は極めて限定されてしまうのだ。

どうして火星に行くべきか?

私は火星に行くべきだと強く主張したい。そして火星に行くというのは、火星に永住するとだと断言する。火星への飛行は初めて2つの惑星に暮らす種になるという自信を強めていくミッションなのだ。火星は、一握りの選ばれた人たちのためにあるのではなく、どんどん増加していく人間たちを維持する為にある。

火星に行くには9カ月かかる、光速でも平均12分

地球から打ち上げられる探査機は、地球の公転速度(秒速約30km)をあらかじめ持っています。探査機の軌道を、地球の公転軌道の外側にふくらんでいくように、つまり、地球の公転方向に加速するように探査機を打ち上げ、遠日点で火星と出会うように飛行させます。このボーマン軌道での火星までの所要日数は、約260日です。ホーマン軌道 | SPACE INFORMATION CENTER

 

f:id:kocho-3:20140711074420p:plain

地球と火星で260日。通信でも往復8分~40分の通信遅延が発生。

 

 火星には探索車キュリオシティが活動中

2012年8月上旬、原子力電池を動力源とする重量1トンの火星ローバー、キュリオシティが火星着陸に成功した。この自動車ほどの大きさのローバーは、NASAの先駆機械システムとしてはこれまでで最も高度なもので、科学機器、カメラ、ロボットアームを装着し、6本の車輪で数年間走行することができる。(178ページ)

f:id:kocho-3:20140711075109p:plain

Mars planet facts news & images | NASA Mars rover + mission info

 

ロボットに代り有人宇宙飛行をするの目的は認識力の拡張

数十年前、ニール・アームストロングと私が月面に到着した際には、人間の認識力を月面まで持っていく唯一の方法が、我々が実際にそこに行って月の地面をしっかりと踏みしめることだった。(地球と月の間で)高品位のテレプレゼンス(大規模TV会議システム)を実施すれば、月面に置いた各種テレロボティクス機器を通じて高度な人間のい認識力と器用さを発揮することができる。地球と火星の間では通信遅延が双方向ではるかに大きくなる。その為に火星の場合は、人間を探査の現場に極力近い所に置いて、人間の認識力が確実に及ぶようにすることが必須となる。つまるところ、認識力を確実に及ぼすことこそ、多くの点において有人宇宙飛行の最大の目的なのだ。

 

2035年に人類が火星に到達する事が既に技術的な課題を越えて経済的、歴史的に検討されているという事、そしてその到達は移住を前提とするものとして考えられている事に驚く。わずか20年後の現実である。

蛇足

自分が火星に移住した、そして火星で自分にとって重要な物は何か、考えてみる。