毎日1冊、こちょ!の書評ブログ

2013年8月から毎日、「そうだったのか」という思いを綴ってきました。

目に見えない電波を見えるようにするには~アンテナの簡単な仕組みを知る事

 アンテナの仕組み (ブルーバックス)

テレビアンテナは、なぜ地デジは肋骨形、BSは皿形をしているのか? --など素朴な疑問から解き明かす、アンテナと電波の正体。  

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宇宙の微弱電波を見るのは望遠鏡と同じパラボラアンテナ
電波とは3兆回/秒以下の周波数をもつ電磁波

電波とは、「電磁波の内で光より周波数の低いもの」ですが、実はその境界線は具体的な数値は決まっていません。日本では電波法によって「3百万メガヘルツ以下の電磁波」とされています。これ以上の周波数の電磁波は赤外線、可視光線、紫外線、X線γ線と呼ばれています。つまちマッチやロウソクの炎が発する光(可視光)も電磁波の一種で、その意味ではロウソクも電波の発信アンテナ、それを見る目やカメラは受信アンテナということになります。(79ページ)

電波も光も同じ電磁波

すべての物体は原子の集まりで、原子は原子核(プラス電荷)と電子(マイナス電荷)とから成り立っています。物体が熱せられるとこれらの原子が激しく振動するので電荷もやはり振動します。そこで「電子の振動は電磁波」を発生する」ということになり、光(電磁波)を発するという訳なのです。(80ページ)

電波と音波は何が違うか?

音波は空気や水など(媒質という)の振動が伝わっていきます。つまり媒質がなければ波は伝わらないのです。これに対して電波は媒質が必要ありません。音波は空気などがバネのように前後方向に振動する縦波です。一方、電磁波はヒモのように電界と磁界が振動しながら、その振動に対して垂直の方向に進む横波として伝わっていくのです。(82ページ) 

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テレビ受信用の八木アンテナ

八木アンテナは1925年に、当時東北帝国大学工学部教授だった八木秀次と講師の宇田慎太郎が発明しました。八木アンテナは、わずkに長さが異なるダイポールアンテナを配列しただけの簡単な構造ですが、特定方向へ電波を強く放射でく、また特定方向からの微弱な電波を効率よく受信できる為、テレビやFMラジオのアンテナとして、世界中で活躍しています。(133ページ)

 

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八木・宇田アンテナの解析 :ITアシストコム(株)にKocho作図イラストを付加

 

日常生活でよく使う電波という言葉。電波の正体はアンテナの仕組みとその簡素な記述からよくわかる。電波は光と同じ電磁波、原子の振動の状態が波状になって移動して発生する。光の波を集めるにはレンズを使う、電波を集めるには八木アンテナが効果を出す。遠くを見るのは望遠鏡、遠くの微弱な電波を集めるのはパラボラアンテナ。光と電波のイメージが一致する。

蛇足

理解できるものは見える。