毎日1冊、こちょ!の書評ブログ

2013年8月から毎日、「そうだったのか」という思いを綴ってきました。

電圧と電流を説明できますか?~ビルの「たとえ話」で簡単に理解する

 デカルトの悪魔はなぜ笑うのか: 100のアナロジーで読む素晴らしき科学の世界

科学とアナロジー(たとえ話)は密接な関係

科学はわかりにくいと思われがちだ。難しい数式や途方もなく大きいものと小さいものが出てくるからだ。直感も通じにくい。だから科学を教えたり広く伝えたりする人々はアナロジーに頼る事が多い。アナロジーとは、複雑なことを説明する際、身近なものに置き換えた「たとえ話」のことだ。(まえがきより)

 

 電気の本質を理解するのは難しい。電気はみる事も触る事もできなし、私たちが直感で予測する通りには動いてくれないからだ。

 電圧はビルの高さ

 電気に関連する値でもっとも重要なのは電圧で、これは位置エネルギーのひとつだ。高層ビルのアナロジーでは、電圧はビルの高さにあたる、ビルのてっぺんからコインを落とすと、ビルの2回から落した場合よりも地面に与える衝撃が大きい。なぜなら最初にコインを持っていた位置エネルギーが違うからだ。次に、ビルの中にいる人たとは電荷粒子に、最上階にノンストップで到着するエレベーターは電源に例える事ができる。エレベーターが人間を持ち上げ、位置エネルギーを最大値まで押し上げるのだ。(44ページ)

 

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電流は人間が階段を通過する割合

電流は、エレベーターから降りた人間が廊下や階段を使って歩いていくことと同じだ

 

階段を伝わって1階のロビーまで来ると、そこでエレベーターにノッってまた最上階へと運ばれる。特定の場所を1分間あたりに何人が通過するかを数えれば、その場所の電流を測定することができる。(45ページ)

 

階段をおりる事=位置エネルギーを熱エネルギーに変換

 階段をおりる時は位置エネルギーが熱に変わる。階段は電気回路の抵抗に相当するのだ。階段が狭いと降りるのが難しくなるので抵抗が大きくなる。電球は抵抗のひとつだ。人間が階段を下りて位置エネルギーを熱エネルギーに替えるように、荷電粒子は電球のフィラメントを通って位置エネルギーを熱エネルギー(つまり光)に替える。

 

このアナロジーを使うと電池の容量はビルの建坪と階数、そしてその積=容積で表現できる事に気づく。建坪の小さなビルでも回数を増やせば、建坪の大きなビルより大きな電圧により多くのエネルギーを貯蔵する事が可能である。私にとって混同しやすい電流と電圧がこのアナロジーによって整理ができる。

 

蛇足

たとえ話でもっとも重要な事、良く知られた事を使う。