毎日1冊、こちょ!の書評ブログ

2013年8月から毎日、「そうだったのか」という思いを綴ってきました。

君が代「さざれ石」の科学的意味を知っていますか?~卒業式シーズンを迎えて

 山はどうしてできるのか―ダイナミックな地球科学入門 (ブルーバックス)

藤岡氏は地球科学の研究家。

日本列島は寄せ木細

いま地球上にある大陸は、超大陸が分裂と集合を繰り返し、地球の表面を何週も巡って現在の位置にモザイクの一つのピースとしてはめ込まれた寄せ木細工です。日本列島もそのより規模が小さな寄木細工です。

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それは地球スケールで考えても、実は同じことがいえます。「はやぶさ」が訪ねた「イトカワ」という小さな星がありますが、イトカワのような星が寄せ集まって約46億年前にできたのが地球なのです。(226ページ)

 

さざれ石~礫岩(れきがん)のこと

日本の国歌である「君が代」にはさざれ石という言葉がでてきます。さざれ石とは礫岩、つまり岩や石のかけらが寄せ集まった岩のことです。日本列島は大きくみれば一つの礫岩なので、この歌は日本のことをよく表現していると言えます。そしてその考え方は、大陸、ひいては地球のスケールにまで広げても同じなのではないかと思われます。大陸の、地球も、より大きな規模でむれば分裂と集合を繰替る寄せ集めの「さざれ石」にすぎないのです。(227ページ)

君が代の歌詞~古今和歌集(905)に端を発する

我が君は 千代にやちよに さざれ石の 巌となりて 苔のむすまで

 

さざれ石が礫岩になるのは日常の時間軸では非科学的な話、だからこそ永遠の修辞となりうる。一方地球史的な時間軸では極めて一般的な作用。

藤岡氏はカール・セーガンを引用して「星が生まれては死んで爆発し、飛び散った星のかけらでまた新しい星が生まれ」と続ける。我々の認識している世界と日常では時間軸が違う事に気づく。

蛇足

元素の起源は星屑、