毎日1冊、こちょ!の書評ブログ

2013年8月から毎日、「そうだったのか」という思いを綴ってきました。

2000年前の最新コンピュータから分かる事

 アンティキテラの機械

天体運行を計算するために作られた古代ギリシャの歯車式機械。この機械は1901年にアンティキテラの沈没船から回収されたが、その複雑さや重要性は何十年もの間気づかれることがなかった。BC150 - 100年に製作されたと考えられており、同様な複雑さを持った技術工芸品は、その1000年後まで現れることはなかった。(WIKI)

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Computer Models of the Antikythera Mechanism | The Antikythera Mechanism Research Project内部構造がCGで復元されている。

アンティキテラの機械はコンピューターか?

それぞれの歯車が天体の動きを抽象化している。復元CGからわかる様に一番大きなギアは1年間の太陽の動きを示し、これと他の天体の動きがっ連動される様に設計されていた。

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私は「カレンダーの計算というXに対し、日付の特定というY(解)が歯車によって与えられる」関数計算プログラム=コンピュータと理解した、本書の副題「the world's first computer」に同意する。

 

アンティキテラ 古代ギリシアのコンピュータ (文春文庫)

マーチャント氏はサイエンスライター、本書では1901年の引き揚げから科学史と技術史の研究者たちを魅了し、取りつかれるように解明してきた経緯が紹介される。マーチャント氏はこのコンピュータを以下の様に要約する。

アンティキテラの機械にどのような経緯があったにせよ、キケロの記述を含む数多くの証拠から当時同様な歯車つきの道具がシラクサでもロードロスでもつくられていたと考えられる。一世紀前にシラクラのアルキメデスから始まった天体の模型づくりの伝統は、その後も脈々と受け継がれた。彼の考案したものと設計は、ロードスその他からもたらされる新たな天文知識をもとに、更新されていった。(328ページ)

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古代ギリシャ~シラク

BC1世紀にシラクラは古代ギリシャの知的中心地であり、そこにははアルキメデスが居た事を知る。また当時の技術は一直線には現代までには伝わっていない。著者は「私たちと古代人の距離の近さではなく、遠さだ」と表現している。

蛇足

知識は失われるとみるか、中断しただけとみるか。2000年を近いとみるか、一瞬とみるか?私は一瞬と考える。