毎日1冊、こちょ!の書評ブログ

2013年8月から毎日、「そうだったのか」という思いを綴ってきました。

レディガガ、アートポップとオプアート

レディガガ、来日

ポップアーティストレディガガが新作CD「Art Pop」プロモーションの為来日している。11月に新作CDのジャケットに立命館大学北岡明佳教授のopartが採用された事がニュースになっていた。

 

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レディー・ガガの新作アルバム盤面に 北岡明佳・文学部教授が作成した「錯視」のアート作品が使用されました - HEADLINE NEWS - 立命館大学

  

錯視とOpArt

北岡氏は知覚心理学、特に錯視の研究家。

錯視とは目の錯覚のことである。もっとも、「目の」錯覚といっても、錯視は目ではなく、脳で起こる現象である。錯視は錯覚(illusion)の一種なので、まずは「錯覚」とい日常で普通に使われることばを考えよう。このことばを専門的に定義すると、錯覚とは「実在する対象の真の性質とは異なる性質を尾簿た知覚」のことである。分かりやすくいうと、「実物とは違う見え方や聞こえ」、「誤った知覚」のことである。(14ページ)錯視は視覚現象なので、視覚が発生する場所は大脳皮質の視覚野と考えられる。もっとも、錯覚の原因と考えられる神経活動を測定できたとする報告は、まだ少ない。(20ページ)

蛇の回転

レディガガに提供したのは「ガンガゼ」というOpArt。錯視とOpArtの違いは錯視が発生するメカニズムに関する洞察の有無とのこと。

北岡氏のwebから蛇の回転を引用させて頂く。私には動いて見える。

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北岡明佳の錯視のページ

この錯視は、黒から青の方向に、白から黄色の方向に動いて見える錯視であると、我々は考えている。フレーザー・ウィルコックス錯視の基本図形を見て気づくのは錯視量が少ないということである。その原因の一つに、この錯視は中心視ではなく、周辺視で起りやすいという謎の性質がある。基本図形の様に対象が一つであると、それをつい中心視で見てしまうから錯視量が少なくなるというわけだ。(49ページ)

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北岡氏は白黒よりカラーの方が錯視の量が増えるという。私は「脳が動かない画像を動いていると錯覚して認識した、それは白黒よりカラーの方が起りやすく、視野の隅の方が起こりやすい」と理解した。脳は「だまされる」、人の視覚は「だまされる」メカニズムがビルトインされている事実を受け入れる必要がある。人は身体としての脳の機能から離れられない。

蛇足

レディガガのCDは聞いていません。