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毎日1冊、こちょ!の書評ブログ

2013年8月から毎日、「そうだったのか」という思いを綴ってきました。

納豆とは辺境食である!~『謎のアジア納豆: そして帰ってきた〈日本納豆〉』高野秀行氏(2016)

謎のアジア納豆: そして帰ってきた〈日本納豆〉

 高野氏はノンフィクション作家、誰もが「日本独自の伝統食品」と信じて疑わない納豆。だが、アジア大陸には日本人以上に納豆を食べている民族がいくつも存在した。(2016)

納豆は辺境食

東は中国湖南省から西はネパール東部に広がる、標高500から1500メートルくらいの森林性の山岳地帯やその盆地に住む多くの民族によって食されている。肉や魚、塩や油が手に入りにくい場所なので、納豆は貴重なタンパク源にして旨味調味料である。

納豆民族は例外なく所属する国においてマイノリティだ。それは偶然ではない。どの国でも文明が発達し、豊富な人口を擁するのは平野部だ。魚や家畜の肉、あるいは塩や油を入手しやすく、他の有力な調味料を発達させている納豆を必要としないのだ。(304ページ)

納豆は山の民

納豆を食べるのは基本的には「山の民」である。大豆は山のやせた土地でもよく育つ。アジア納豆地帯の大豆は、日本の市販納豆の極小粒と同じくらいの大きさで、かなり小さい。そしてやや細長い。

仕込みに使うスターター(納豆菌のついたもの)は植物の葉である。大きくて包みやすい葉ならなんでもいい。(305ページ)

日本の納豆

アジア大陸同様、日本でも納豆は「辺境食」だったと推されることだ。アジア納豆と同様、内陸部でよく食べられる。貴重なタンパク源と調味料。少なくても室町時代から江戸後期までは納豆汁をメインに食べる。・・・本来、納豆は東北地方の内陸部が本場だと思う。(316ページ)

納豆と“たれ”

80年代半ばから市販納豆に調味液がつけられるようになった。・・・・「納豆の生産量が飛躍的に増加した要因の一つに調味料付きでの販売があるという。たれとは旨味調味料、主にグルタミン酸イノシン酸からなる。・・・魚介由来の旨味成分と似たたれを合わせることで、日本納豆は「辺境食」を脱し、世界で初の“全国制覇”をなしとげたのだ。(321ページ)

謎のアジア納豆

高野氏は2000年頃、ミャンマーの山岳民族から日本とそっくりの卵と納豆をかけたご飯を供されたという。これを契機に納豆を追いかけてタイ、ミャンマー、ネパール、中国、そして岩手県に渡る。高野氏は、納豆は各地の辺境の地で生まれ、自然発生的に食される様になったと考えている。中国には納豆という中国語が見当たらないことも、日本を含めアジア各地で独自に食する様になった推測を補強する。

私が子供の頃は納豆には醤油と化学調味料をかけていた。それがいつの間にか“タレ“に変わっていた。最近調味料入りの醤油が販売されている。もしかしたら数十年経つと、これが当たり前になっているのかもしれない。

我々の食習慣は簡単に変更されるし、何でも日本独自と主張するのも無理がある。美味しいものは世界共通。

蛇足

新潟では納豆に砂糖!

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