毎日1冊、こちょ!の書評ブログ

2013年8月から毎日、「そうだったのか」という思いを綴ってきました。

新しいネタをどうやって見つけるか?~『10年大盛りメシが食える漫画家入門ふりかけ付き!』樹崎聖氏(2016)

10年大盛りメシが食える漫画家入門ふりかけ付き! (星海社新書)

樹崎氏は漫画家、 “魂”と“技術”を兼ね備えた漫画家になれる!!これぞ実践的漫画家指南本! (2016)

 

 

何を描くか?

(漫画家志望者に)「描くべきものがない」「描かねばならないと思えるものがない」・・・でも、それはなぜか?

自分自身に何もないからじゃないでしょうか。人生に特別な思いも知識もなくて、何かが描けるかずがないんですよ。描くために必要なものは「モチベーション」=「描きたいと思える動機」です。では、どうすれば動機が手に入るのか?それは動くこと、活動すること、そこから学ぶことです。

・見知らぬ外国にできるだけ長期の旅に出る

・あえて漫画とは関係ない別の仕事に就いてみる

・今まで近づくこともなかった人間と付き合ってみる

・読んだことのない分野の本を読む

方法はいろいろありますが、とにかく人生にアクションを起こしましょう!(22ページ)

頭の中だけではアイデアは生まれない

ベッドに寝っ転がって「考えてるんだ!」なんてさぼる言い訳です。まずは机に向かって神とシャープペンと消しゴムを用意しましょう!・・・良いアイデアは頭の中で知恵を絞れば出てくるというものではないのです。無から有が生まれるはずはないので、重いついたことからどんどん紙に書いて、並べて組み替えて、考えてみることが大事です。・・・ああでもない、こうでもないとできるだけ具体的に試行錯誤して推敲していくことで論理を越えた、考えもしなかった作品に到達できます。(46ページ)

取材しよう!

さあ描こうと思った時に実は何が描けるかはもうほぼ上限が決まっています。そこまでに何を行ってきたか、何を見てきたか、体験したか、思ってきたかでできる範囲はできてしまっているのです。想像力、創造力はその組み合わせでしかないからです。無から有は生まれません。(239ページ)

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10年大盛メシが食える漫画家入門

樹崎氏は中学生で漫画家を志し、10年でデビューを果たす。「どうしてもプロの漫画家になって自分を表現したかった」(206ページ)という。それでも最初はストーリー(漫画業界では“ネーム“という)を作ることができず苦労したという。樹崎氏は修行のために大阪芸大に入学、自宅から転居したことで得た新しい環境から最初の作品を着想する。無から有は生まれない、有の組み合わせで漫画が誕生する。少年ジャンプに連載中は映画を年間600本観ていた。「漫画を描くべき原動力がなければ自分で作るしかない」(25ページ)

本書は漫画家入門でありウンチクが楽しい。同時に何であれクリエイトするスタートラインを明確にしてくれる。漫画であれ、ビジネスであれ、スポーツであれ、「10年大盛メシが食える」為には人生にアクションが必要、です。

蛇足

最初の1歩はほんの小さなタネを見つけること

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