行動さえすれば手に入るものは多い~『「おめでたい人」の思考は現実化する 』和田秀樹氏(2016)
「おめでたい人」の思考は現実化する (小学館新書 わ 1-3)
和田氏は精神科医、行動さえすれば手に入るものは多い(2016)
今足りないのは“おめでたさ”
現代は「正解がない時代」である。つまりどんな決断をしても正解になり得る。・・・「おめでたさ」が足りなくて、最初からあきらめる人ばかりでは、企業の競争力は下がり、必然的に国力もおちる。・・・株価が上がり企業が最高レベルの利益を出しながら、日本発の画期的な新製品や新たなビジネスがなかなか生まれないのも、こんな悪循環(おめでたさの不足)のせいと言えるかもしれない。(15ページ)
「おめでたさ」にはいいタイプと悪いタイプの2種類
いいタイプのおめでたい人
・周囲の批判を気にしない
・まずは行動してみる
・うまく行かなければ、次に行く身軽さ
・正解などあに、と思う知的謙虚さ
・・・すなわち「自己肯定感が高くて楽天的」という特徴がある。反対に、「悪いタイプのおもでたい人」を定義するなら「自分に都合のいい情報だけを受け入れて、耳障りな話をシャットアウトする人」としていいだろう。その結果、自分が損をしたり不幸になったりするだけでなく、周囲を傷つけたり、厄介ごとを引き起こしたりする。
悪いタイプのおめでたい人
・自分が正しいと信じて疑わない
・世間で言われていることをうのみにする
・いったん信じると、ほかの人の声に耳を貸さない
・だまされていることに気づかない
残念なことに、今の日本には「いいおめでたさ」よりも「悪いおめでたさ」が広がっているようだ。(69ページ)
「おめでたい人」の思考は現実化する
和田氏のメッセージはシンプルである。今社会に必要なのはKY(空気を読めない)人である、ということ。常識ではなく、「おめでたく」行動に踏み切る人が少ない今、「おめでたく」行動する人には成功するチャンスがあると説く。
本書で“悪いおめでたさ“の例として「株価があがれば経済はよくなる」という”世間の言われていること“をうのみにする例を挙げている。上場企業の株価が上昇すれば株主にはメリットがあるが、株主以外にメリットがあると決まった訳ではない。アベノミクス以来、何となく株価は経済のバロメーターと思ってきたが、良く考えてみれば株価上昇の恩恵は海外投資家を含む投資家にしか還元されない。株価があがっても経済は良くならないことも十分あり得るのである。
いい意味でのおめでたさ、に必要なことはまずはやってみること、失敗を恐れないこと、であろう。我々は正解のない世界に住んでいるのだから。
蛇足
おめでたいの逆さまは何か?
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