毎日1冊、こちょ!の書評ブログ

2013年8月から毎日、「そうだったのか」という思いを綴ってきました。

車の運転の達人になるには?~『達人のサイエンス 真の自己成長のために』ジョージ・レナード氏(1994)

達人のサイエンス―真の自己成長のために

ジョージ・レナード氏は教育関係のジャーナリストであり合気道の実践家、 人生のさまざまな領域で「達人」と呼ばれる人々は、自らの精神と身体をどう鍛錬しているのか?(1994)

 
達人(マスタリー)とは何か?

マスタリーとは、「初めに困難であったことが、練習や実践を重ねるにしたがい、しだいに簡単で楽しいものに変わっていく不思議なプロセス」である。(3ページ)

それは豊かな成果をもたらすが、ほんとうは目的地や終点なのではなく、むしろ一つの過程であり、旅なのだ。(10ページ)

マスタリーとは何か?核心を言えば、マスタリーとは練習や実践のことであり、達人の道に留まることなのだ。(87ページ)

達人になるには

 

レナードは5つのキーを挙げる。

①指導、②練習と実践、③自己を明け渡すこと、④思いの力、⑤限界でのプレー

達人とは良い指導者と一緒に、練習と実践を重ねる。練習と実践においては自分を空にして、自分の成りたいビジョンを強く思う。基本に忠実な練習を反復すると同時に自己の限界を越える経験にも挑戦する。

①の練習と実践に関連してエピソードを引用する。

合気道をマスターするには

 

 

合気道をマスターするにはどれくらい時間がかかりますか?」と、見込みのありそうな生徒が尋ねてきた時、ふさわしい答えとしては次のように言うしかない。「自分が何歳まで生きられると思うかね?」練習や実践こそが、すなわちマスタリーの道なのだ。マスタリーの道を長い間歩み続けると、この道には上がり下りがあり、試練と安らぎがあり、驚きと落胆があり、無上の喜びがある、そうした生き生きした所だと分かるようになる。(87ページ)

 

平凡なことの達人になる~車の運転

 

 

あなたは完全に目覚めた意識で、現在の時刻や温度、風速、風向き、太陽の高さ、天気(雨かみぞれなのか、雪なのか)なども頭に入れた状態で、車のほうへと歩みを進めるだろう。次にこの目覚めた意識を、あなた自身の精神や、身体、感情にまで広げてみる。しばらく車の周りを歩き、タイヤの状態をはじめとして車体の外見をチェックしよう。・・・このように短時間の車の運転一つをとっても、マスタリーの練習のいい機会となる。(159ページ)

 

達人とは何か?

 

達人とは前人未踏のテクニックを持つ人のことではない。「達人とは練習や実践のことであり、達人の道に留まることなのだ。」

それでは何の達人になるか?レナードは車の運転を例に挙げる。完璧な運転をしようとめざしてみる。そう思った瞬間平凡なただの運転は達人への道に成り得る。

我々にはそれぞれが与えられた環境の中には必ず、達人を目指す領域があると気付く。

蛇足

 

達人とは基本的な練習を日々完璧に続ける人。

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