エネルギーとは"状態の変化"の事、欲しかったら自ら変化すればいい。理科と物理の復習からわかるエネルギッシュに過ごす秘訣~『エネルギーとはなにか』RG・ニュートン(2015)
エネルギーとはなにか そのエッセンスがゼロからわかる (ブルーバックス)
RG・ニュートン氏は理論物理学が専攻。2015年刊
エネルギーという言葉を当たり前の様に使う。今となってはエネルギーという概念がどうやって成立したのか忘れている。教科書的に知識を整理すべく本書を
手に取る。
エネルギーとは何か?
1.(物理学)仕事をすることのできる能力のこと。物体や系が持っている仕事をする能力の総称。
2.1. の意味から転じて、物事をなしとげる気力・活力のこと。活動の源として体内に保持する力。
3.エネルギー資源のこと。
運動エネルギー
物体が重ければ思いほど、そして速ければ速いほど、その衝撃がより強くなることは誰でも知っています。それはラテン語で「vis viva」、すなわち「活力」と呼ばれ、物体の質量mと速度vの二乗の積mv^2で定義されました。・・・このmv^2は、のちに「運動エネルギー」と呼ばれることになりました。(21ページ)
熱エネルギー
摩擦が熱を生じ、その熱もまた、エネルギーの一つの形であるということが認識されたことで、機械システムにおけるエネルギー損失の謎が解消されました。・・・摩擦によって氷を溶かしたり、砲身の鉄を赤く熱したりする現象を目にしたことによって,(中略)熱は「物質を構成している分子の乱雑な運動」に他ならないという認識が、広く知れ渡っていったのです。(89ページ)
熱エネルギーと機械的エネルギーは一緒のもの
機械的なエネルギー(構成する物体の運動エネルギーとポテンシャルエネルギーの和)と熱の双方を含むあらゆる物理系において、エネルギーの総和がつねに保存される事実が実証されたことは、19世紀の科学における最も重要な進展の一つでした。(30ページ)
これを具体化した実験装置
エネルギーは“もの”ではない
この装置によって機械的エネルギーと熱エネルギーの等価が確認された。ハンドルを回し
おもりを上下させエネルギーを与えて水の温度が上昇する。水の分子はより乱雑な運動をする。熱は“もの”ではなく、“水の分子の状態の変化“である事が直感できる。
我々はエネルギーというと石油や石炭といった化石燃料をイメージし、エネルギー=物質と連想する。エネルギーは物質という形で保存されているのであり、エネルギー自体は“もの“ではなく、私の表現で言えば”状態の変化“である。
ジュールの実験装置はエネルギーとは何か?“状態の変化”であることを形にしてみせてくれる。もっともこれらは中高の理科と物理で習ったことばかりであるが、、、。
蛇足
状態を変化させればエネルギーが生まれる
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