毎日1冊、こちょ!の書評ブログ

2013年8月から毎日、「そうだったのか」という思いを綴ってきました。

ドーナッツに穴が開いたのはいつだったか?~『古きよきアメリカン・スイーツ』2004年刊

古きよきアメリカン・スイーツ (平凡社新書)岡部氏は児童文学翻訳家、ペカンパイ、ブラウニー、パンプキンパイなどなど。大きいだけ、甘いだけがアメリカのお菓子じゃない。2004年刊

 

 

ドーナッツの祖先はオランダの揚げ菓子

 

 

アメリカにドーナッツが伝わったのは、ヨーロッパからの植民地となった初期の頃で、オランダからの移民によると言われている。オランダには伝統的な揚げ菓子が伝わっていて、オリイ・コークと呼ばれていた。英訳するとオイリー・ケーキ、すなわち油菓子ということになる。このオリイ・コークは、小麦粉に卵や砂糖を加えイーストを入れて発行させた生地を豚の油で揚げるお菓子で、当時はボール状だったらしい。(180ページ)

 

 

どうしてドーナツに穴が開いたか?

 

せっかちなアメリカ人はボール型の生地の内部まで火が通るのを待っていられず、真ん中が生のまま口に含んでしまうことも多かった。いっそのこと中央をくり抜いて揚げればいいではないか、ということになるリング型に落ち着いたのだとか。19世紀の後半にはドーナッツは、家庭で手作りされるお菓子の定番ともいえる存在となっていた。・・・1870年頃にはドーナッツカッターと呼ばれる、リング型に生地をくり抜く台所器具も売り出された。そうなると、かつてのオリイ・コーク型の揚げ菓子は、急速に廃れることになったのである。(182ページ)

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画像 : おいしい ドーナツ まとめ - NAVER まとめ

ドーナッツという名前

 

「ドー・ナッツ」という名前は、ドーは小麦粉の生地、ナッツは木の実を意味している。生地の真ん中にナッツ(クルミやヘーゼルナッツ)をいれる小麦の生地、に由来するという。

ドーナッツの表面積と体積の関係

 

ドーナッツの表面積=ドーナッツの体積/(2×リング部分の半径)

ドーナッツはリング部分の半径を変えない限り、体積の増加に比例して表面積も増える。

体積を10%増やせば、表面積も10%増えるという事。表面積を増やしたければリング部分の半径を減らして細長くすればいいし、表面積を減らしたければリング部分の半径を太くすればいい。算数の式を使わなくても小麦粉をこねればわかる事ではあるが、、、。

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Our History | Krispy Kreme – Coffee & Doughnuts Since 1937

ドーナッツとアメリカ

 

小麦粉の揚げ菓子は世界で古くからある。それに穴を開けたのはアメリカから始まった。最初のドーナッツ店は1921年ニューヨークのパン屋の店頭だったという。未だ100年たっていない。ドーナッツの形は必然かもしれないが、お菓子に使うのは偶然という事なのであろう。

蛇足

 

ドーナッツの形はトーラスと呼ばれる 

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