毎日1冊、こちょ!の書評ブログ

2013年8月から毎日、「そうだったのか」という思いを綴ってきました。

1920年代伝説のビール広告に学ぶ「ストーリーブランディング」~欠点を認識する事から始まる

物を売るバカ売れない時代の新しい商品の売り方 (ワンテーマ21)

 川上氏は「ストーリーブランディング」というコンセプトを提唱するマーケティングの実務家。 

 

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物語を発見する

20世紀初頭、アメリカで大活躍したコピーライター、クロード・ホプキンスが、あるビール会社を業界5位から一気に一位に押し上げた伝説の広告をご存じでしょうか?・・・工場を見学したホプキンスは驚きました。今まで知らなかったことだらけだったからです。ビールが詰められる前に高温の蒸気でびんが洗浄されていることを。・・・他社が同じことをしていても、どこの会社もこの事実を伝えていない。このような取り組みを生活者に伝えるときっと驚くはずだ。そう考えたホプキンスは、「清潔なビール」というコンセプトの元、「活きた蒸気で洗浄されたビール」というキャッチコピーをつけた広告を提案します。ビールが詰められる前に高温の蒸気でびんが洗浄されているという「物語」に焦点をあてた内容でした。

f:id:kocho-3:20140820084152p:plainSoap, Sex & Cigarettes : 1900-WWI

クロード・ホプキンスの理論

同業者なら誰でも知っているような事実や当たり前すぎて誰も伝えてこなかった事実を、他社にさきがけて訴求すると、最初に伝えた商品に独占的で永続的な栄誉がもたらされる。

本書における「物語」

お客さん・社員・取引先などに対して語る、本当にあった「フィクションでない」「個人」「会社」「お店」「商品」などにまつわるエピソードやビジョン

人類共通の感動のツボを押す~ストーリーの黄金律

①何かが欠落しているまたは欠落させられた主人公が

  1. 何としてもやり遂げようとする遠く険しい目標やゴールに向かって
  2. 数多くの葛藤、障害、敵対するものを乗り越えていく

という3要素が含まれている物語のことを言います。

物を売る「バカ」~はじめに

このバカは一種の愛情表現です。一生懸命にやっているんだけど、少し方向が間違っていてもったいない」そんな意味をこめての「バカ」なのです。

 

1920年代のビールの広告から現代の広告の基本的なロジックが見えてくる。多くの商品がこだわり、蘊蓄をアピールしている。そこに新鮮な驚きがあれば人はその会社、商品を忘れない。そして、ストーリーの黄金律、良くいわれる様に宗教、神話との共通性を見出す。広告は自身の「物語」、更にいうなら「ストーリーの黄金律」を発見する事である。

蛇足

何かが欠けている事を認識する所から始まる。