毎日1冊、こちょ!の書評ブログ

2013年8月から毎日、「そうだったのか」という思いを綴ってきました。

「シズル感」の語源を知っていますか?、それは今から80年前のコピーライティング技術~『ステーキを売るなシズルを売れ』 ホイラー(1937年)

ステーキを売るなシズルを売れ --ホイラーの公式 (フェニックスシリーズ)

シズル感の語源を知っていますか?

 

「シズル(sizzel)」という英語は、ステーキを焼くときのジュージューという音のこと。 つまり、ステーキを売るためには「匂い」や「音」を売るのが重要というわけだ。 著者のエルマー・ホイラーは、10万5000もの売り言葉を分析、1900万人に実験した。その結果「大多数の人に買わせるフレーズがある」と確信。メイシーズなどの大手百貨店、ホテルチェーン、石油会社、クリーニングチェーン、バイオリニストなどあらゆる顧客の売上向上に貢献した。原書は1937年刊(!)、本書は2102年

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相手の目でシズルを探す

 

あなたが売るあらゆるものに「シズル」が隠されている。シズルは最高の販売要因である。それはワインにおける泡であり、チーズにおける風味であり、コーヒーにおける香りである。・・・「シズルのめがね」をかけて、相手の目であなたの商品をながめてみなければならない。

シズルを短いフレーズにする

 

「手紙を書くな、電報を打て」というのは、できるだけ少ない言葉(フレーズ)で、お客間様の、直接の好意的な注意を引きつけろ、という事である。

「大多数の人に買わせるフレーズがある」言葉の魔術とは

 

あなたが目指す結論まで、容易に、そして自然に到達するような、ごく受け入れやすいやり方で必要な情報をお客様に与えるためにつくられた、よく選ばれたフレーズである。大切な買い物をするときには、どんな買い手の心の中にも、いつも「夢」と「必要性」がある。だから売り手がするべき第一のことは、この「夢」の欲求を満たしてあげることだ。さらに第二に「必要性」も満たすことが大切である。「シズル」は「欲望」を刺激し、満足させる。だが同時に、「ステーキ」は良い牛から取ったものでなければならない。さもないと、ただ失望を買うだけに終わってしまうだろう。

シズルはあなたの望んでいる夢

 

あなたが言いたいということよりも、お客様が聞きたいと思うことのほうをより多く考えよう。そうすればあなたは、あなたが欲しいと思っていた反応を受け入れるはずである。

私の感心を引いたシチュエーション

 

本書の数多くのシチュエーションから一つ紹介したい。

ある日、本のセールスマンが私の事務所にやってきた。私は、今は非常に忙しいから話をしてる暇などないと告げた。すると金はこう言ったのである。「お忙しいのはよく存じております。私は多忙な人だけをお訪ねしているのです」。

私は忙しいのか忙しいふりをしたいのか?

 

良く考えられたセールストークというのはその人の欲求を刺激する。私がこのセリフから感ずる事は私には「忙しくしたいか、忙しいふりをしたい」という夢=「シズル」があるという事である。シズルという言葉が英語であり、それも1930年代に生まれた言葉だという事に驚く。人に感動を与える言葉、それはいつの時代人の欲求を満たす言葉である。

蛇足

 

注意を引かれた広告コピーは何だったか?そこに貴方の夢がある。

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