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毎日1冊、こちょ!の書評ブログ

2013年8月から毎日、「そうだったのか」という思いを綴ってきました。

今更ながら、Googleは知識に価格メカニズムを導入していた~『知の進化論 百科全書・グーグル・人工知能』野口悠紀雄氏(2017)

テクノロジー

知の進化論 百科全書・グーグル・人工知能 (朝日新書)

 知識と情報の拡散は、この世界のあり方をどのように変えてきたか?

インターネットは検索できる

グーグルの方法は、そのページにリンクするサイトの数によってページを評価するものです。・・・引用文献の数によって論文を評価することは、大学院生にとってはごく自然な発想です。「みんなの意見」によって順位を決めるという方法民主主義的な発想だということもできるでしょう。(120ページ)

ウェブサイトを検索して概念の意味を見出す場合には、知識の体系に関わりなく、直接に目的に到達できます。・・・「部分から全体へ」という百科事典的な知識の獲得法は、ウェブの時代になって本質的に重要なものとなりました。(131ページ)

「みんなの意見」~分散的・分権的への信頼

経済学者は、決定が分散的・分権的になされるシステムに強い信頼を寄せています。・・・この考えの厳密な理論的基礎は、経済学者のフリードリヒ・フォン・ハイエクが1945年に発表した論文The Use of Knowledge in Society(社会における情報の利用)において示されました。

ハイエクによる理論的説明

ハイエクによれば、人々は特定の場所、職種、経験などに基づく個別の知識を持っており、したがって、問題に近い場所にいる人ほど優れたソリューションを持っているはずです。つまり決定は分散的になった方が良いのです。

分散性が抱える問題はシステムの一部が発見した貴重な情報が、必ずしもシステム全体に伝わらない点にあります。そこで必要なのは、個人がローカルな知識を元にして決定を行い、それらを集合全体に組み込めるようにすることです。市場メカニズムは、「価格」という手段を使って、これを実現しているのです。(127ページ)

 

知の進化論~百科事典・グーグル・人口知能

野口氏は分散的・分権的な制度への信頼性を簡素に説明する。ハイエクを引用し簡素に説明する。分散的・分権的なシステムの弱点を価格情報が補っている。逆に言えば市場メカニズムだけで分散的・分権的なシステムが無ければ機能しない。

考えてみればgoogleの検索システムもまったく同様のシステムで動いている。引用される数が多いほど重要なサイトである、という情報の価値ルールを定めインターネット全体をこの価値ルール=市場メカニズムによって評価している。

Googleという検索システムはインターネット全体に市場メカニズム=価格を持ち込んだ。だからこそ部分と全体が、取りあえずは調和している。検索エンジンの欠点や問題点を指摘するのは容易い。それは市場メカニズムの欠点や問題点とある意味共通している。Googleは書籍、地図、画像などどんどん検索が及ぶ範囲を広げている。これもまた経済において市場メカニズムの及ぶ範囲が拡大していることと同じ文脈で理解できる。

Googleは情報に価格を付けていた。それにより情報の伝達スピードが飛躍的に向上した。

蛇足

市場メカニズムの失敗、独占とバブル

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