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毎日1冊、こちょ!の書評ブログ

2013年8月から毎日、「そうだったのか」という思いを綴ってきました。

如何にして情報選択コストを削減するか?

 

 ハイエク 知識社会の自由主義 (PHP新書)

 池田氏は経済学分野で活躍されている方。ハイエクの思想を紹介している。まず素朴な意味の完全市場の条件について整理する。

①買い手や売り手が価格に影響を及ぼさない

②市場への参入が自由である

③すべての市場参加者が完全な知識をそなえている

→①、②の前提は理解できるが③の市場参加者が完全な知識はあり得ない。

完璧な完全市場は無いのは当然だが疑似的な完全市場がどうやって達成されているか?

 

 現実に意思決定を行うとき、人々が持っている情報は、きわめて限られたものであり、驚くべきなのはむしろこのようなわずかな情報によって社会秩序が保たれているという事実である。秩序が保たれている原因を、市場そのものに見出すことはできない。市場は世界中にあるが、満足に機能している国は少ないからだ。市場のコーディネーション機能を支えているのは、その基礎になっている財産権や慣習法(コモンロー)などのルールの体系なのである。(79ページ)

 市場メカニズムが完全情報を担保しているのではなく、それは自生的秩序、つまり社会の共通ルールが担保している。池田氏はインターネットが情報を共有する事というルールが自生的秩序であるならば情報に希少性は無いと説く。情報に希少性が無いのであれば制約条件は物理的制約ではなく、情報選択する時間的な制約=コストである。

 

如何にして情報選択コストを削減するか?池田氏はハイエクの発想を「自律分散的な主体が相互作用することで自生的秩序が生み出される。」と説明する。

私はこの説明を情報選択コストの削減という観点から言い換える。

①社会で知識を分業しており、各人はそれを分担する、

②知識そのものではなく、自己の思考法・ビジョンを顕在化させる

この言い換えよって情報選択コストが低下する事が少しでも達成できれば意味が出てくる。