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毎日1冊、こちょ!の書評ブログ

2013年8月から毎日、「そうだったのか」という思いを綴ってきました。

宇宙はいずれダークエネルギーで一杯になる、その時何が起きるのか?~『輪廻する宇宙 ダークエネルギーに満ちた宇宙の将来』横山順一氏(2015)

輪廻する宇宙 ダークエネルギーに満ちた宇宙の将来 (ブルーバックス)

 横山氏は宇宙構造進化論の研究家、 現代物理学は宇宙を生まれ変わらせることができるか?(2015)

宇宙の輪廻転生説

正の真空のエネルギーがあり、宇宙が再び指数関数的膨張の時代を迎えることによって、初期宇宙のインフレーション時代に量子的に戻ることができるようにし、それによって、一つ一つの宇宙のはじまりと終わりがあっても、そのようなたくさんの宇宙をはぐくむ時空全体には、はじまりも終わりも必要ない、という考え方である。(194ページ)

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万有引力の支配する減速膨張、最近の宇宙はダークエネルギー優勢なので加速膨張

宇宙の大きさが現在の    2/3であったあたりを境に、その左側では膨張速度は左上がりになってることが見て取れる。現在に近いところでは膨張速度が増加傾向にある、すなわち加速膨張している。

ダークエネルギーが増えると、

遠い未来の宇宙は真空のエネルギーだけに満たされた状態になると考えられる。ということは、宇宙のエネルギー組成は、ダークエネルギー密度というたった一個のパラメータだけで完全に決まってしまうことになるのである。・・・このような状態は、初期宇宙に起こったインフレーション時代の宇宙とまったくといっていいほど同じ状態である。違うのは、エネルギー密度が100桁ほど小さいこと、そして大きさはけた違いに大きいことだけである。・・・(パラメータは一つなので一粒の量子力学と同様に解釈できるので)宇宙全体がトンネル効果を起こすことを示すことができる。すなわち、ごく小さなダークエネルギーを持った非常に大きな宇宙が、初期宇宙のインフレーション時代に経験したような、大きな位置エネルギーを持った小さな宇宙に量子的な転移を起こすことができるのである。(192ページ)

宇宙の輪廻転生の持つ意味

大きなエネルギー密度を持った小さな宇宙は、初期宇宙と同じようなインフレーションを再び起こし、わたしたちの宇宙が経験してきたような進化をもう一度繰り返すことになるのである。しかし、トンネル効果で行き着いた先は、必ずしもわたしたちの宇宙の初期状態とは同じでないかもしれない。その場合は、今度は違った宇宙に進化することになる。これはまさに宇宙全体の輪廻転生であり、一つ一つの宇宙には始まりと終わりがあっても、全ての宇宙の進化をあわせて捉えると、大宇宙全体に始まりも終わりもなく、その中で一つ一つの宇宙が生成消滅を繰り返しているのだ、ということになる。(193ページ)

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輪廻する宇宙

紀元前2世紀前漢の書「淮南子」によれば宇宙の宇の字は四方八方の空間の広がりを、宙は過去から現在に至る時間の流れ、を表しているという。我々の住む宇宙は多元的な宇宙の一つであり、その宇宙はダークエネルギーの増加によって最終的には初期宇宙に転移するという。そこでは宇宙が再び進化を始めることになるが、従前の宇宙とは情報のなつながりはなく、まったく別の宇宙として進化していくことになる。

現代の宇宙構造進化論は、宇宙は多元的であり、それぞれの宇宙が輪廻することで宇宙全体には始まりも終わりもないことを示している。

蛇足

 

宇宙も、そして人も輪廻転生によって過去の記憶はリセットされる

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