毎日1冊、こちょ!の書評ブログ

2013年8月から毎日、「そうだったのか」という思いを綴ってきました。

量子論「事始め」、エネルギーは短くみると「飛び飛び」~最初に戻ると易しく理解できる

量子物理学は日常の感覚とあわない。

二つの現象が同時におきる、位置と運動量は同時には決められない、、、、。

量子論の始まりに遡ってみた。

ハイゼンベルク―二十世紀の物理学革命 (講談社学術文庫)

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 量子論は黒体放射から始まった

村上氏は「量子論がつくられたそもそもの起源は、古典物理学が黒体放射の連続スペクトルのエネルギー分布の関する実験結果を説明できないことにあった。」を引用して「実際のところ、量子という概念が形成される経緯の一切はこの簡素な文章の中に籠められているといって良い。(84ページ)

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黒体をどんどん高温に熱すると発光する振動数は増えていく。そしてそれはエネルギー密度が無大になってしまう。(青の曲線)

ブランクは振動数になるとエネルギーは飛び飛びなのでそこまでエネルギーは増えない。(赤の曲線)

プランク定数 - Wikipedia

 

1900年プランクは黒体放射はエネルギーが連続的ではないと考えた

理論的に言えば、短い波長になればなるほど(言い換えれば振動数が高くなればなるほど)放射エネルギーは無限に大きくなるという困難が生じることを指している。これを困難というのは、現実には無限大のエネルギー放射はあり得ないからである。この困難は、極端に高い振動数(もしくは極端に短い波長)と無限大なエネルギーを認めないような制限を何らかの形で理論に与えなければならない事を意味していた。エネルギーが連続的ではない、というプランクの仮説は、意味論的に言えばこうした問題に対する配慮から生まれたということができる。(90ページ)

エネルギーは「飛び飛び」

エネルギーという量が自然の中で連続的に変化するのではなく、飛び飛びの単位しか存在しない、というあの仮定は、「自然は飛躍しない」という漠然と信じられてきた自然についての一つの信念を根底から覆すことになったからである。(92ページ)

 黒体放射

完全な黒体から放射される光は黒体の温度によって変わる。黒体の温度が低いと赤っぽく、高温になると青白くなる。青白くなる波長ほど振動数が多くなるが、無限のエネルギーが放出する訳ではない。これを実測データと整合性をとれる形にしたのがブランク定数。振動数が多くなった場合はエネルギーは飛び飛びなのでもっと小さくなる関係を示している。

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完全な黒体に近いのはカーボンナノチューブ、私には「2001年宇宙の旅」のモノリスを連想映画 3DCG ギャラリー

 

 

 

 

 

 

 

 

 
 

 

プランク定数は日常ではあり得ない微小の世界とだけ理解

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プランク定数 - Wikipedia

我々は日常生活においてエネルギーを連続的なものとして捉えている。しかし非常に波長の短い短時間で捉えるとそれは「飛び飛び」に発生しているという事。既に我々は量子力学を前提とした社会に住んでいる。日常の感覚からはずれるが、「極めて微小な世界は飛び飛び、という概念」こをが量子のコンセプトでありそれは900年のプランク定数がスタート。

蛇足

我々は簡単な観察から始めて見方を大きく変えられる。