毎日1冊、こちょ!の書評ブログ

2013年8月から毎日、「そうだったのか」という思いを綴ってきました。

最初の雨はいつどれぐらい降ったか?~37億年前の2月から3年間!

海はどうしてできたのか (ブルーバックス)  

藤岡氏は地球科学の研究者。「宇宙で唯一の生命を育んだ海はどのように誕生した?」

水の由来は炭素質隕石~宇宙からやってきた 

水は宇宙からやってきたのです。地球が大量の隕石によってできた事は述べましたが、それらの隕石を作る岩石や鉱物のなかに水が含まれていたのです。正確にはH2OではなくOHというかたちで含まれていて、岩石や鉱物が分解したときに、水として放出されました。水のもとになる物質や、有機物などを含む隕石を炭素質隕石と読んでいます。水星、金星、地球、火星は岩石型惑星に分類さっることがありますが、これらの惑星はすべて、炭素質隕石の集積によってできたと考えられています。(49ページ)

 

海はいつできたか?46億年を1年前とすると2月9日、37億年前

二次的な大気を形成していた成分の多くは、火山ガスに由来する物質です。これらは地表が高温の間は、たとえ凝結して液体となり落下しても、地表に到着する前に蒸発してしまいました。しかし、いったん陸の温度が下がるやいなや、すさまじいまでの量の液体が地表に降ってきました。地球で最初の雨です。その主な成分は水でした。火山ガスの成分のうち水蒸気は、割合としては小さなものでした。しかし二酸化炭素をはじめ、他の多くの成分 が氷点下、それもかなりの低温でなければ凝固しないのに対し、水蒸気は100℃で水になります。地球は100℃にまで冷えた時点で、水は液体として存在するもっとも多い物質となったのです。

現在地球上にある水の量~3年分の豪雨

最初の雨が、地表の表層すべてに降り、地表に均等に溜まっていったとして、いったいどれだけの雨が降れば、これだけの水を地表に蓄える事ができるでしょうか。仮に1時間に100㎜の雨だったとすれば、全地表を覆う水の厚さは1日で2.4mになり、1カ月で72mに、1年では864mになります。2650mの厚さにするには、3.07年かかる計算になります。(53ページ)

最古の海の証拠~グリーンランド南西部イスアの礫岩と枕状溶岩

「礫岩とは、河原や海岸にごろごろしている砂より大きい礫が水によって運ばれて、固まってできた岩石」、「マグマが水中に入り表面が固まって薄い殻の様な形=枕状になった玄武岩」であり、グリーンランドの礫岩や枕状溶岩の存在は、これらの岩石ができたときには液体の水が大量に存在していたことを示します。これらの岩石ができたのは測定によっておおよそ39億年前という年代が得られています。(60ページ)

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左 礫岩                                              右  枕状溶岩

http://nh.kanagawa-museum.jp/kenkyu/epacs/museum3/i1.htm

水は地表が100度を下回った時大気から分離

当時の大気の成分は二酸化炭素、水素、窒素、これらが凝固する温度がそれぞれ-78.5度、−252.87度, -195.79 度。水の凝固点が圧倒的に高い事がわかる。水が先に大気の中から凝固する。

蛇足

現在の海の平均深度は2,650m÷0.7(海の割合)=3,700m。