1本のミネラルウォーターからわかる事~水資源は十分にある。
水危機 ほんとうの話 (新潮選書) 沖氏は気候変動と水循環の研究家。「水問題の第一人者による、“水に流せない話”地球の水はいつかなくなるのか?」
地球にある水の量・・40億年変化していない
地球表面を覆う水の総量 1.4×10^21 14億㎞^3
地球の体積で比較をすると 地球の0.1%
地球の水は約40億年前、原始大気に含まれる大量の二酸化炭素と水蒸気が冷却して誕生
地球上の水の総量は約40億年前からほとんど変わらず、地球表層を循環している
(水の成分の分析から、ほとんどの水が雨や雪が土壌にしみ込んで流出した)
水はどこにあるか? ・・ストックの概念では圧倒的に海水、淡水はわずか
海洋に96.54%、表がと永久氷に1.74%、地下水1.69%、その他0.03%
海水が97.5%、淡水が2.5%
使いやすい淡水は全体の約0.01%=140,000㎞^3
循環している水はどの程度か?~フローの概念である年間降水量は淡水の3倍以上
年間の降水量 500,000㎞^3
このうち陸地に降る水が20%程度 110,000㎞^3
このうち蒸発や植物による蒸散しない部分
(=陸から海へ河川出戻っている部分) 40,000~50,000㎞^3
水資源賦存量=使える水の量
人の住む陸を通過して海へと流れ込むこの年間4-5万㎞^3という水の流れが地球全体の水資源賦存量(ふそんりょう)に相当し、循環する再生資源量である。要するにその地域で潜在的に最大限使える水の量である。(34ページ)
人類が使っている水の量
取水量 3,800㎞^3
(河川の流量の10%以下)
消費量 2,100㎞^3
(69ページ)
水をめぐる議論から私が認識した事
私が思うに水は地球規模の天候から統計的処理が行い易い。この分析によれば水資源は40億年間減っていないし、河川の流量の10%程度しか使っていない。これらが比較的簡単の計算できる。結論から言えば水は足りている。問題なのは需給の偏在であり配分の問題、言い換えれば政治的・経済的問題である。水と相互補完関係にある、食料、エネルギーに関しもまったく同じ事が言える。
ミネラルウォーターと水資源の議論は別
沖氏によれば生命維持に必要な飲料水は1日2-3リットル、人類全体でも水消費量全体の0.0001%、需給をまったく気にする量ではない事がわかる。それでもミネラルウォーターの生産量は増えている。一方飲料水は消費量沖氏が指摘の通り、ネラルウォーターは水道水の約1000倍の価格、ミネラルウォーターは清涼飲料水という商品であり、コーラ・コーヒー・お茶と代替関係にあるもの。水資源の議論とリンクをさせる事は感情的な議論を引き起こすだけである。
清涼飲料品目別生産量推移(1993年~2012年)|統計情報|のみもの情報館
蛇足
コーヒー、紅茶、そしてミネラルウォーター、飲まなければいけない理由は無い。