毎日1冊、こちょ!の書評ブログ

2013年8月から毎日、「そうだったのか」という思いを綴ってきました。

光速を最初に測定した方法~人間の思考力の拡張過程を追体験する。

 

 

 

1,2,3…無限大

ガモフはロシア生まれ、その後米国で宇宙論の研究を行う、原書は1961年発刊。

「ミクロからマクロの世界まで、現代科学の基礎を軽妙な語り口でわかりやすく解き明かす。数、時間と空間、相対性理論、遺伝子、エントロピー等トピック満載。子どもから大人まで自然の不思議を堪能できる。」

光の速度の観測 

光の速度の測定をはじめて企てた人は、17世紀の有名なイタリアの科学者、ガリレオ・ガリレイである。闇夜にガリレオは、機械仕掛けのシャッターのついた2個のカンテラを携えて、フィレンツェ近郊の広い野原に助手と一緒にでかけた。2人は数キロメートル離れた所に立ち、ある瞬間にガリレオが自分のカンテラのシャッタを開いて助手の方向へ光の流れを送った。(図A)

光速は299,796㎞/秒、2㎞の距離の所要時間は0.0000066716秒、測定は不可能。

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A:1638年ガリレオ、B:1675年レーメル、C:1845年フィーゾー 

 

1675年にデンマーク天文学者レーメルは、木星の衛星の食を観測して、衛星が木星に隠れている時間は必ずしも同一ではなく、木星と地球との距離によってあるいは短く、あるいは長くなっている事に気づいた。この結果は木星と地球との間の距離が変化すうrため、私たちがその食を見る際に様々な時間の遅れが伴うという事実に基づいているのだと悟った。彼の観測から、私たちは光の速度が一秒あたり約30万㎞であることを知る事ができた。(図B)

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11分なら観測できる!

 

図Cは、フランスの物理学者フィーゾーが、比較的短い距離で光速度を測定するために最初の使用した装置である。(中略)光を通過させたり遮断したりする回転速度を調べれば、この2個の歯車の間を通る光の速度が概算できるのである。

光速の測定を知る事は人間の思考過程の拡張の追体験 

図Bは距離を長くとった場合、図Cは時間を短くとった場合、天文学が人間大きな尺度で見る対象であり、機械により極小時間を現実のものにした。人間の思考力が拡張していく仮定を「速度=距離÷時間」の算数の計算から追体験できる。