毎日1冊、こちょ!の書評ブログ

2013年8月から毎日、「そうだったのか」という思いを綴ってきました。

アンチエイジングの最前線「寿命は将来160歳まで延ばせる!」~その為に知っておくべき3つの事

平均寿命105歳の世界がやってくる―喜ぶべきか、憂うべきか

アレックス・ザヴォロンコフ

カナダのクイーンズ大学、アメリカのジョンズ・ホプキンス大学、ロシアのモスクワ大学で学ぶ。老齢化研究のシンクタンク「生物老年学(バイオジェロントロジー)研究財団」を主宰し、国際エイジング研究ポートフォリオを立ち上げ、世界中の老齢研究を支援。

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2014年8月10日発刊~原書は2013年7月発刊

 

再生医療はマウスでは既に効果を出している

実感は沸かないかもしれないが、研究者たちはすでに、遺伝子的には人間と99%同じ動物を使った実験では成功している。マウスは、外見的には人間とまるで違うが、遺伝子の面では酷似していて、がんや糖尿病にも罹るし、老化過程も人間ときわめて似ている。マウスは遺伝子治療によって28%も命を長らえることができる。人間にあてはめれば105歳まで生きられることになる。しかも、これは平均だ。新しい幹細胞治療を施したある種のマウスでは、寿命が倍以上に伸びたものもある。人間に当てはめれば、160歳を越える。この様な画期的な技術が人間に応用できるのは、もう時間の問題だ。(6ページ)

20-30年後には再生医療がより一般化する

輸血や臓器移植、幹細胞の進展ぶりを時系列で図示した。発見から実際の応用に至る時間は、かつては何十年もかかっていたが、最近ではかなり短縮された。・・・幹細胞はこの10年間に大幅に加速した。わずかながらすでに実用化されたものがあるが、まだ広く普及したとまでは言えない。・・・これから20年のうちに、病気の治療や老化を送らせる新たな臨床治療がさらに一般化する。(181ページ)

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30ページ「2011実験室で培養した気管の移植に成功。皮膚細胞を、鼓動を打つ心細胞に転換」

だからこそ根本は健康

将来の不安に備えて投資を勧める本が数多くあるが、どこにも書かれていない基本財産が、本人および家族の健康だ、・・・何にも増して重要な人的資本が確保できるからだ。・・・最近の国際老年会議で、ある老年学者が単純明快な健康アドバイスをしていた。「お母さんが諭してくれた通りにすればよい」。具体的に言えば「くだものや野菜を食べなさい。食べ過ぎは駄目。タバコもだめ。睡眠はたっぷり取ること。」などの訓戒だ。これに付け加えれば、定期的に運動すること、ストレスを避け、良質のビタミンやミネラルを含んだサプリを摂り、環境汚染を回避する、などの助言も役立つ。(291ページ)

我々が今知っておくべき3つの事

     ①アンチエイジングは20-30年で本格的実用化を迎える、それまで生き延びた者

        のみがその恩恵に預かれる。

     ②「お母さんの言う通り」の食生活と、定期的な運動、そして知的な活動、これが

        目指すべきライフスタイル。

     ③最も重要な事は「長生きして何をするか?」を考える事

 

本書の帯には「寿命は将来160歳まで延ばせる!」。本書により①と②に関する情報によりリアリティを持つ事ができた。我々は控えめに言っても120歳まで健康な生活ができる。本書を受け入れた上で「で考える。「その時我々は120歳まで何をするか?」不老不死とは言えないが、今までの常識を越える時間が与えられた。もう一度自問する、「長生きしてまでもやりたい事は何か?」

 

 

蛇足

現実を認識できた人が長生きをする。