毎日1冊、こちょ!の書評ブログ

2013年8月から毎日、「そうだったのか」という思いを綴ってきました。

人は自由に思考し変化できる~「心と脳」に感謝!

心と脳――認知科学入門 (岩波新書)  

安西氏は認可科学の研究家、慶應義塾大学の総長を勤める。本書は「心と脳と社会を総合的に理解することであり、認知科学はこの目標に近づく為の最も重要な知的営みの一つ」を述べること。(帯より)

 

私の伝えたい事:思考の自由

思考のはたらきは自分で自分を変えられる再帰的な能力をもち、外界からの情報がなくても、心の中で他のいろいろん機能との相互作用を通して心のはたらきを変えていくことができる。言い換えれば、心や脳のシステムは、システムの内部の情報処理だけによって新しい活動をすることのできる、豊富な自由度を秘めた情報処理システムである。心や脳が自らのはたらきをみずから変えていく、人間誰もがもっている、創造する力、学ぶ力、デザインする力のもとになる「思考の自由」の源泉は、この自由度にあるのだ。(283ページ)

情報は生きている「グミ」~私の連想

コンピュータは入力があって出力がある、入力がなければ出力はない。これに対し人間は潜在意識の中に入力を発生させる「情報」=「心のはたらきや心の状態に変化を与えるもの」(はじめにⅰ)が電気的なシグナルの様な形で保存されているので、入力がなくても、あるいは情報そのものが変化する事で出力が生まれると理解した。更に飛躍されば出力すら必要なくなる。

手元にあったグミとシンクロする。グミには様々な色や形があり、やわらかな感触、口に入れれれば解ける、沢山集まれば違った形になる、、、、これが「ぷにょぷにょ」生きている事をイメージする。

 

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活きているグミ

  

認知科学

安西氏は冒頭で認知科学を「心のはたらきにかかわる現象を、『情報』の概念をもとにして理解しようとする知的営み」と定義。

思考は「いろいろな情報を心の中で結びつけたり、組み合わせたり、並べ替えたり、比較したり、系列化したり、変換したり、新しい情報を創りだしたりする働きのこと」(56ページ)、

思考の自由は「意識下と意識の上でお互いに影響しあっている」(283ページ)

現在の認知科学フレームワークはコンピュータの情報理論を使って形で心と脳の働きを分析しようとしている。

人の心は無限の広がり

電源が入っておらず、ネットワークにもつながっていないPCは誰かがONにしないかぎり自ら動き出す事はない。人間は生きている限り本人が知らない所でも心の中と外界の情報を処理し思考し、そして変化している。私の、そしてあなたたの心が無限の広がりを持つ事が実感できる。

蛇足

入力も出力もなく、自由な思考で変化できる事に感謝!