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毎日1冊、こちょ!の書評ブログ

2013年8月から毎日、「そうだったのか」という思いを綴ってきました。

チャレンジャーにとって、業界常識とは安易かつ”勝者の論理”である~『安売り王一代 私の「ドン・キホーテ」人生』安田隆夫氏

ビジネス 新刊

安売り王一代 私の「ドン・キホーテ」人生 (文春新書)

驚異の「26期連続増収増益」ドンキホーテはいかにして生まれたか?ドンキは幾多の困難に見舞われたが、安田氏はそのたびに徹底的に自らを追い込んで苦悶しながら考え続け、「逆張り」の視点で災いを福に転じてきた。本人の言葉でいえば「はらわたで考えなければ、真のブレークスルーは生まれない」。(2015)

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無手勝流という最大の武器

既存の業界常識やシステムに則ったやり方をしている限り、やがて資本と情報力に勝る大資本に喰われる。…小売業で言えば、どんなに個性的な繁盛店を作っても、その本質が既存業態の延長であれば、成功ノウハウはすぐ盗まれる。その上で同じ商圏に大手チェーン資本が進出してくれば、個店はひとたまりもない。…資本も技術もない私の場合、大手がマネをしようという発想そのものすら思い浮かばなかった。だから無手勝流、つまり自分がナマで体験し考えたオリジナル戦法を積み上げて戦うしかほかに術がない。逆に、これが大手に対抗する最大の武器になる。一般的な業界常識の視点からは理解不能だから、手の出しようがないのだ。ドンキ一号店が軌道に乗り出して以降、誰にもマネできないオンリーワン業態として今日まで順調に成長し得た、これが最大の要因である。(194ページ)

業界常識とは何か?

それは先発企業の膨大な成功実績にほかならない。そして先発企業には、巨大な資本と人材、圧倒的なシステムとノウハウの蓄積がある。業界常識に従うとは、そうした先発企業と同じ土俵、同じルールで戦うことを意味する。言い換えれば、業界常識とは「勝利者の論理」であって、「勝利のための論理」ではない。(195ページ)

大手に打ち勝つには?

逆張りしてオリジナリティとユニークさを磨くしかない。…経済も消費も成熟した今のような時代、起業家にとって最大の資本は金ではない。「知恵」だ。知恵は常にしがらみや制約のない自由な立場と発想から生まれる、この知恵の発揮こそ、プロや大手に勝る、素人最大の財産である。(196ページ)

1989年ドンキ1号店誕生~逆張り権限委譲

 

満を持して開業したはずのドン・キホーテ1号店だが、なぜ最初から軌道に乗らなかったのだろうか。結論から言えば、私が目指す独自の店作りがあまりにも流通業界の常識からかけ離れていたため、雇った従業員が全く理解してくれなかったからである。(70ページ)

一部ではなく全部任せることにした。従業員ごとに担当売場を決め、仕入れから陳列、値付け、販売まですべて「好きにやれ」と、思い切りよく丸投げしたのだ。しかも担当者全員に、それぞれ専用の預金通帳を持たせて商売させるという徹底ぶりである。これこそ、のちにドンキ最大のサクセス要因となる「権限委譲」と「個人商店システム」の始まりだ。(76ページ)

業界の非常識とは難しいこと

日本の流通は米国の流通業界にならってチェーンストア・システムによって行われている。これは店舗・品揃え・オペレーションの3つを標準化する。権限委譲はその真逆だが、簡単なことではないと言う。成功させる最大の要件は「人を信頼すること」。信頼に裏打ちされて権限委譲された人間はゲームの様に個人商店システムを追求するという。一方会社全体の利益と個の業績追求はともすれば一致しないという。コンプライアンスそれを最適化していくのは難しかったという。ドンキは難しいことを25年に渡って続けてきた。そうやってドンキが業界常識となった。

蛇足

 業界の非常識とは難しいことに挑戦すること

こちらもどうそ

安田氏は組織にもアポトーシスが必要と言う。

 

kocho-3.hatenablog.com