月曜日の朝、ネガティブな感情と環境を吹き飛ばす方法~大気(!)を認識する
ソロスは著名な投資家であり慈善家。
私の哲学の核心は、二つの比較的簡単に命題に要約できます。一つ目の命題(可謬性)は「思考する参加者(人間)がいるような状況において、参加者の世界観は常に部分的でしかなく、しかもゆがんでいる」というものです。これが「可謬性の原則」です。簡単に言えば、私たちの住む世界の複雑さは、私たちの理解力を超えているという考え方です。
もうひとつの命題(再帰性)は、そうした「ゆがんだ状況認識は、その結果として発生する状況参加者の不適切な行動を通じて、状況に対して影響を及ぼしうる」というものです。ある事象において、そこに参加する者が自ら思考するような場合にのみ発生します。参加者は「現実を認識」する認知機能と、「認識により現実に働きかける」とする操作機能を有する。典型的には、ある事象の参加者の見方がその事象の展開に影響し、さらに、その事象の展開が参加者の見方に影響を及ぼす「フィードバック・ループ(円環)」の形をとる事になります。(33ページ)
可謬性と再帰性を金融市場に当てはまめると
「人間は間違える、間違った認識が間違った事態を悪化させる、」を前提にしてソロスは以下に様に説明する。
当初は自己教化的で、後に自己破壊的に転ずるというパターンは、まさに、金融市場におけるブームとブーム崩壊の過程、バブルの構造そのものです。(37ページ)
これを社会の動きに当てはめると
金融市場以外でのバブル的な運動を、私は、「豊穰な誤謬」と呼んでいます。「現実の解釈として歪んでいるのに、そのゆがみをかえって強化してしまうような誤謬」という意味で、私はこの表現を使っている。(37ページ)
ソロス財団はオープン・ソサエティの理念を目的知的・文化的な援助を行ってきた事が知られているが、これも「豊穰な誤謬」を打ち破る為の方法であろう。
コピー機の導入と大量導入によって情報の利用可能性が高まると、共産党はしだいに情報統制力を失い、ハンガリー共産党はその後崩壊。
マンガ 史上最強の投機家ソロス――“イングランド銀行を潰した男”の哲学 (PanRolling Library)
我々は個人個人としても集団としてもは認識を誤るものである。それは感情であり、環境である。これに気づいた時、感情と環境から自由になれる。
蛇足
人は当たり前すぎて大気を認識できない