あなたのゴールに導いてくれるカーナビがあったらいいと思いませんか?~『情報参謀』小口日出彦氏(2016)
<情報参謀 (講談社現代新書) p>
小口氏は情報分析と情報表現のコンサルタント、テレビとネットのメタデータを縦横無尽に駆使した政治情勢分析会議が極秘裏に行われていた。(2016)
政治と情報
私が関与した政治情報分析の現場では、テレビ報道を中心に、日々、政治にかかわるどのような話題がどのように扱われているのかを、リアルタイムで定量的にとらえることができる。・・・それらは、政治情報の基礎として政党にフィードバックされ、政策に反映し、国の舵取りを左右し、やがて人びとの暮らしにフィードバックされる。・・・「情報」は、現代にあっては量的にはきわめて大量化、質的にはきわめて精緻化している。・・・(生活においてITを活用するのと)同様の変化が政治にも及んでいるのだ。(9ページ)
具体的には
テレビを24時間365日チェックするのはこれまでと同様だが、加えてネット上での「定点観測」をおこなう。定点観測とは、自民党のYouTube公式チャネルや他の政党のウェブサイトなど、特定のポイントをつねにチェックしておくことを指す。こうして大量に集めた情報の整理・集計をしたうえで、「重要トピックの抽出」「キーワードの抽出」「トレンドの描写」「ポジ・ネガ(自民党にとって望ましいか、そうでないか)の判断」と項目別に分析し、「攻めどころ」「守りどころ」の示唆をまとめて、それらの情報を日次、週次、月次の報告書にして提出する。ここまでは私、つまり自民党に雇われた傭兵がやる。(89ページ)
積極的に生きるためにどう情報を活用するか?
ほとんどの不安は、情報的な自分の現在場所がわからないことから生じている。現代の人びとの不安の源泉はソコにある。
「自分にはなにが不満・不安なのか」
「その不満や不安は自分だけのものか。たくさんの人で共有できるものなのか」
「自分はどうしたいのか。どうなったら不満や不安が解消するのか」
「そのためにはどんな道があり、どいいうふうにすればその道に沿って歩いて行けるのか」
情報は選択肢や指針を与えてくれる。(217ページ)
情報参謀
政治の世界ではテレビとwebで流される情報の収集、分析、そのフィードバックを受けた情報発信が行われている。一つの政党、例えば自民党という情報社会における主体が人びとにどう受け止められているか、どういう情報をどうやって発信していくか、について定量的に分析できるのである。小口氏は情報収集・分析・アドバイスまでを行う工程をになっていたがこれは言ってみればカーナビに例えられるという。目的地にいくのはどうするか?それに応える情報プラットフォームを運用していたのである。
そしてこの仕組みは個人にも同じことが言える。それには情報収集し、分析し、それを活かすシステムを自分の周りに構築することである。カーナビが目的地までの距離と経路を教えてくれたらどんなに心強いか?本書は情報の世界において積極的に活動する主体がどうすればいいか、カーナビ=情報参謀の重要性を教えてくれる。
蛇足
私がやるべきは、カーナビの目的地を入れること
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