モノとは非言語でグローバル、そして人の暮らしを変える~『メイカーズ進化論―本当の勝者はIoTで決まる』小笠原 治氏(2015)
メイカーズ進化論―本当の勝者はIoTで決まる (NHK出版新書 471)
”Gatebox”、面白そう!
小笠原氏は、秋葉原の“モノづくり"拠点DMM.make AKIBAをプロデュース、メイカーズの本質を「売れる」「作れる」「モノゴトで稼ぐ」で解説。(2015)
メイカーズとは何か?
インターネットの外側にある、あらゆるモノに(ITを)持ち込むことです、新しい人間とモノとの関係性を最発明するのがメイカーズであるべきだろうと思います。(13ページ)
メイカーズは「売れる」、だから進化している
クラウドファンディングは、スタートアップにとっては予約注文で事前にお金をもらえるありがたい仕組みであると同時に、SNSやネットニュースで「こんな面白いモノを作るらしい」という口コミが広がることで、非常に高いプロモーション効果が得られる優れたプラットフォームサービスなのです。(47ページ)
クラウドファンディングで最も大事なのはプレゼンテーション、つまりプロジェクトの内容やモノならば試作品の見せ方だと言われています。(50ページ)
モノは非言語である
モノは「デザイン」と「機能」という二つの要素がとても重要です。…ここでいうデザインと機能は、見れば誰もが「かっこいい」「かわいい」とか「すごい」「便利」と思うことができるものです。モノはそもそも非言語だと思うわけです。(51ページ)
グローバルニッチ
「1か国で100台しか売れなくても、100か国で売れれば合計1万台になる」つまり、インターネットを駆使して、SNSなど世界中に点在するコミュニティのマーケットをつぶさに把握し、きちんと需要を見込んで製品開発をしているのです。(71ページ)
IOTの本質、モノのスマート化を超えている
モノがインターネットにつながることでモノゴトを生み出すことを、僕は「モノゴト化」と呼んでいます。一方で、一般的な理解ではやはり、モノがインターネットにつながると便利だし効率的になるのでスマートだよね、という話にとどまるのではないかと思います。(165ページ)
メイカーズ進化論
著者はあらゆるモノをインターネットで再構築するのがメイカーズであると定義する。メイカーズが進化しているのは実際に売ることができているからだと言う。
モノを、クラウドファンディング、非言語、グローバルニッチを活用すれば実際に販売をする敷居はどんどん低くなっている。部品のモジュール化、3Dプリンタによる試作コストの低下によって生産コストもスピードも劇的に早くなっている。
モノにインターネットが繋がる第一段階はスマート化、より精度が高くなっていく。著者はその先にある本質を、モノゴト化と言う。モノゴト化を抽象的に「人間の動作や行為そのものに勝ちが生じること」と定義する。
私はモノゴト化とは、IOTによって、人間の生活パターンが変わることだと認識した。生活が快適になること、このメリットを生み出すのがメイカーズということになる。
メイカーズはモノによって生活を変える、という手垢がついた表現、だからこそ大きな意味のある、ことをやろうとしている。
蛇足
情報はモノから決して逃れなれない
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