我々は環境を自ら変えられる~人間関係は偶然の積み重ね
2014年8月刊行
人生は偶然でできています。それを象徴するのが子供です。・・・そしてもし娘がいまの娘ではなく、まったく違った人間だったら、いまのぼくの生活はまったく違ったものになっていたことでしょう。人生のほとんどは、かくも危うい偶然のうえに成立しています。親子関係は、人間関係のなかでもっとも強いものですが、しかしそれは序文の分類で言えば(偶然に支配されたノイズに満ちたものであり)「弱い絆」の最たるものなのです。
人生論は二つ?三つ目が観光客になること
一つの場所に留まって、いまある人間関係を大切にして、コミュニィティを深めて成功しろというタイプのものと、一つの場所に留まらず、どんどん環境を切り換えて、広い世界を見て成功しろというタイプのもの。村人タイプと旅人タイプです。・・・村人であることを忘れずに、自分の世界を拡げるノイズとして旅と利用すること。旅に過剰な期待をせず(自分探しはしない!),自分の検索ワードを拡げる経験として、クールにつきあうこと。・・・検索とは一種の旅です。検索結果一覧を見るぼくたちの視線は、観光客の視線に似ていないでしょうか?(54ページ)
ネットは階級を固定する道具
「階級」という言葉が強すぎるなら、あなたの「所属」と言ってもいい。世代、会社、趣味・・・なんでもいいですが、ひとが所属するコミュニティの中の人間関係を深め、固定して、そこから逃げ出せなくするメディアがネットです。(5ページ)
ネットにはバックパッカーとしてのインドだけ
日本語で「インド アライバルビザ」で検索するとほとんどヒットしない。・・・では現実はどうだったか。結論から言うと、一瞬で取れた。審査もゆるかった。・・・うちは滞在中はオベロイに泊まる予定でした。・・・こぎれいな格好をして、「いいホテルに泊まる」と言えば楽に取得できる。しかしそんな情報はネットには載っていない。バックパッカーしか、インドについて買いていないからです。(27ページ)
Luxury Hotels in Agra | Resorts in Agra - The Oberoi Amarvilas, Agra
観光客であること
観光客はある意味目的がなく、無責任である。そして観光客は旅人と違って村人に戻っていく。ネットによってますます必然に形づくられた村人、偶然とノイズが存在する観光、我々はこの二つを行き来する事ができる。
蛇足
人間関係は偶然の結果、環境が深いつながりをつくる。