毎日1冊、こちょ!の書評ブログ

2013年8月から毎日、「そうだったのか」という思いを綴ってきました。

「さる」が進化したら人間になるの?

さると人間は数千万年前に共通の祖先からそれぞれ分岐し、分岐後はさると人間は同じ時間をかけて進化して現在に至っている。これは1859年はダーウィン「種の起源」で展開された進化論のコンセプトである。進化のプロセスは自然淘汰による最適者生存と考える。

その後遺伝子を分子生物学的な変化を分析できる事が可能になった。これはダーウィンの主張を定量的に解釈する方法が出てきたと理解している。すべての生物の遺伝子には時間的な記録が残されているという事である。

 1960年代に木村資生氏はで分子化学は生物の形態などの変化スピートと遺伝子レベルの変化スピードに差がある事からダーウィンの自然淘汰の前提となる過剰繁殖(常に生物は環境で維持できる以上の生物が存在し生存競争が行われている。)から分子進化の中立説(分子の変化は形態の変化に中立=「有利でも不利でもない」という考えを提唱した。 

化石の分子生物学――生命進化の謎を解く (講談社現代新書)

更科功氏は分子古生物学の研究者。第6章の結びとして「人間は、細菌より複雑な生物である。だが、人間のほうが細菌より進化している訳ではない。細菌と人間は、同じ程度に進化しているのだ。『進化』は遺伝する形質のたんなる『変化』であって、『進歩』という意味合いは無いのである。

さるも人間も同じ程度「変化」しているのであって「複雑性」に違いはあったとしても優秀である、あるいは正しいという評価軸を含む「進歩」では比べようがない、と理解をしました。

自分を、あるいは社会を考えるうえでも大変重要な概念だと気づかられた。

参考:以下のサイトでは 分子進化の中立説について丁寧に解説してくれています。

http://www.brh.co.jp/research/formerlab/miyata/2005/post_000003.html