毎日1冊、こちょ!の書評ブログ

2013年8月から毎日、「そうだったのか」という思いを綴ってきました。

自ら知らない世界に飛び込んでみて、、~『キャバ嬢の社会学』北条かや氏(2014)

キャバ嬢の社会学 (星海社新書)

 北条氏は文筆業、キャバクラとは、病みとは、女とはなにか。”武器としてのの社会学”! (2014)

 

 

キャバクラ嬢になる!

キャバクラ嬢と知り合いになるため、またキャバクラで働くことによる「自分自身の変化」を記録するため、私はとあるキャバクラで実際にキャバ嬢として働いた。

キャバクラで働いた期間は世の中が『小悪魔ageha』ブームに沸いていた、2008年11月から2009年3月までの5か月と、2010年4月から8月の、合わせて10か月である。(27ページ)

参与観察とは

参与観察に従事する者は研究対象となる社会に、しばしば数か月から数年に渡って滞在し、その社会のメンバーの一員として生活しながら、対象社会を直接観察し、その社会生活についての聞き取りなどを行う。(Wiki

資本主義社会で、性は商品

この社会では、若い女性は特に「女として魅力的かどうか」で判断されてしまう。そしてその「女としての魅力」は、お金に替えることができる。・・・資本主義社会で、「性」は魅力的な商品になる。就活の面接でも、第一印象は男女関係なく「カオ」であるし、美容整形や化粧品、エステの広告など、美しいことは良いことだ」というメッセージはいたるところに溢れている。(21ページ)

キャバクラとは

キャバクラとは、若い女性が主にソファなどに座り、男性客の隣で会話をする「だけ」で、利益が発生する産業ということ。客に直接的な性的満足を与えないため、いわゆる「射精産業」とは一線を画する。だからこそ、素人女性が気軽にアルバイトできるのだ。(39ページ)

キャバクラ嬢になるということ

キャスト(キャバクラ嬢)は客と長期的な関係を築くため、「騙す意図を持たない、信頼できるキャバクラ嬢」=「普通の女の子らしさ」をアピールする。(174ページ)

「・・・ホントは『普通の女の子』。でも、やっぱり『キャバ嬢』なの。だからあくまで、本気の恋愛感情は抱かないで、お店でお金を落としてね」(205ページ)

キャストの「病み」は、「私はキャバクラ嬢」である」「私はキャバクラ嬢でない」という矛盾したメッセージを、客が(意図的であれ無意識であれ誤解することで起きる。(182ページ)

キャバクラ嬢になってわかったこと

キャバクラで自分が「商品」になってみなければ分からなかったことがある。それは、「カオとカネの交換システム」の寂しさ、くだらなさ、そして魅力である。「女という商品」になることには、何らかの依存性があることは確かだ。(208ページ)

キャバ嬢の社会学

私は若い時、同世代の女性が周囲からちやほやされるに羨ましいと思ったことがあった。男性は女性にモテる為にも一生懸命お金を稼がなくてはいけない、と教えられてきた。女性は「カオをカネに変える」ことに注力させられる。女性がカオをカネに変えることに何等かの寂しさ、くだらなさ、魅力があるのと同様、私もまた若い時に男性がお金を稼ぐことも寂しさ、くだらなさ、魅力を感じている。女性の苦労に初めて気づく。

キャバ嬢の悩みは若いビジネスマンの悩みと構造的に一緒であると気づく。

蛇足

私にとって、キャバ嬢は知らない世界!

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