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毎日1冊、こちょ!の書評ブログ

2013年8月から毎日、「そうだったのか」という思いを綴ってきました。

石器時代から現代まで、人類戦争史を俯瞰してみる~『 戦争と革命の世界史』神野正史氏(2016)

 戦争と革命の世界史 (だいわ文庫 H 320-1)

 神野氏は予備校講師、”受講生から圧倒的な支持を得る神野先生の講義は、まるで映画を観ているような臨場感と興奮!” (2016)

人類戦争史俯瞰

人類の戦争史をもう一度簡単に復讐してみると、石器時代から19世紀までは、戦争の本質は基本的に変りませんでしたが、17世紀以降に市民革命が拡がり、それが19世紀に国民国家となって実を結び、ついに20世紀初頭、国民国家同士の戦争が勃発すると、それは「総力戦」という、これまで人類が経験したことのない新しい戦争形態を生みました。

ところが「核兵器」の登場で、ふたたび変質し、20世紀の後半は「冷戦」という形態の戦争が繰り広げられます。

そして21世紀現在、兵器テクノロジーの進化が戦争を「第4段階」に突入させます。それが「テロ」です。つまり、テロは「戦争形態のひとつ」にすぎないのであって、「汚い」とか「卑怯」という批判が、たいへんピント外れなものだと言うことがわかります。(265-266ぺージ)

 

戦争の第一形態:従来型の戦争・・・石器時代~19世紀

戦争の第二形態:総力戦・・・20世紀前半

戦争の第三形態:冷戦・・・20世紀後半

戦争の第四形態:テロ・・・21世紀

 

9.11アメリカ同時多発テロ事件

暦の上では21世紀は「2001年1月1日」から始まりますが、歴史学的観点から見れば21世紀はこの「2001年9月11日」を“鯨波の第一声”として始まったと言ってもよいでしょう。・・・

犯人からの要求は一切なく、

・アメリカ経済の象徴=世界貿易センタービル

・アメリカ軍部の象徴=国防総省

・アメリカ政治の象徴=ホワイトハウス

を標的とした自爆テロです。(20ページ)

戦争と革命の世界史

本書は“超人気予備校講師”である神野氏による、戦争から観た世界史。教科書のような簡素な記述から、戦争の抽象的な変遷が浮かび上がる。

戦争とは短期的なものであったものが国民国家産業革命によって長期戦となる。核兵器の開発が冷戦を、通信技術などの発展がテロ=分散型紛争を、それぞれ生んだ。神野氏は21世紀を「同時多発テロ」を鯨波の第一声として、世界各地で戦争・革命騒ぎが後を絶たなくなったのも、現在、世界は「国際秩序」を失った世界」(234ページ)と位置付ける。

世界は一直線に動くものではない。戦争の第一形態から第四形態が混在して進むにしろ、そこには第四形態の比重が相対的に高まっていくという捉え方は説得力を持つ。

国際間の分散型紛争を戦争と呼ぶか、テロと呼ぶかには意味がない。戦争が正しくテロが卑怯と捉える価値観には普遍性がない。我々はこれから21世紀型の戦争を多く経験することになるのであろうか?

蛇足

国際秩序とはヨーロッパの作った“多国籍間休戦協定システム”のこと

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