出張と観光以外の旅をしたことがありますか?~『TraveLife クリエイティブに生きるために旅から学んだ35の大切なこと』本田 直之氏(2015)
TraveLife クリエイティブに生きるために旅から学んだ35の大切なこと
本田氏はコンサルタント、そして旅のプロフェショナル。先人たちの「旅の格言」をフックとして、みずからの旅から学んだエピソードを「旅=人生」という視点で書き下ろす。(2015)
旅=人生
本書でシェアしたいことは、旅こそひとりの人間として成長するための良き師であり、インスピレーションの源ではないかということ。そして旅という最良のツールとリソースを、より多くの方々に活用してほしいということ。(11ページ)
「旅をしたときにメモしなければ、旅した意味がない」
旅に出れば、一人旅でなくても深く考える時間がある。・・・日本にいたら日々流され、終われて、観挙げることなくあれこれこなすことで一日が終わってしまうが、観光でない旅は決してそうはならない。・・・まずはじっくり考える。そこで終わらせず、、何を感じて考えたか、一言でもいいからメモしておく。たったこれだけで、その旅の価値は劇的に上がる。・・・僕はスマホでメモって、Evernoteにあげてタグ付けするというシンプルな方法をとっている。・・・たいてい帰りの飛行機で写真を見ながら「その旅で感じたこと」を書いている。どこに旅をしたかにもよるが、飛行機の中というのはたいてい時間がたっぷりあるから、おすすめのメモ時間だ。(71ページ)
オリジナルな旅が仕事と遊びの垣根をなくす
僕は本を50冊以上出しており、「よくネタがありますね」と言われるが、その秘訣は旅に他ならない。もしこれほど旅をしていなかったら、新しいテーマも浮かばないし、考え方も狭まっていただろう。オリジナルな旅をしているから、本というオリジナルな創作物ができていると言っていい。
たとえば、ヨーロッパで単なる食の旅をするだけでなく、そこで活躍している日本人に注目するというオリジナルなテーマを設けたことで、『なぜ日本人シェフは世界で勝負できたのか』という本が生まれた。
・・・本というアウトプットは一例で、オリジナリティがあれば多くの人が面白いと思ってくれて、すごいプロジェクトになるかもしれない。自分ならではの視点やオリジナルなテーマをもてば、旅はもっと面白くなる。(91ページ)
出張と観光旅行を卒業する
旅行は出張と観光旅行だけと思っていないか?オンとオフ、はっきり線を引いていては世界が広がらない。旅をして、メモをとり、シェアし、考える。そして自分でテーマを持って次の旅に向かう。旅によって本の企画が生まれたのだとしたら、旅によって新しいビジネスの企画が生まれることだってありえる。
飛行機があり、スマートフォンはどこでも使える。もっと優秀な自動翻訳機が登場するのもすぐであろう。その時世界を楽しむのは、出張でも観光でもない「オリジナルな旅」というコンセプトである。
蛇足
旅人よ、道はない。歩くことで道はできる。アントニオ・マチャド(129ページ)
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